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2006年10月20日 (金)

小さな棚田

Photo_8 週末にペット同伴可能な宿を利用して旅行に行ってきました。風光明媚な土地ですが、限られた平地の中で、かつては食料確保は重要な課題でした。耕作可能な土地はとことん利用され、棚田もその中の知恵のひとつです。ところが食料事情が好転した今、手間のかかる土地は敬遠されるようになりました。今では耕作は放棄され、農業を楽しもうとする篤志家達によって細々と稲作が続けられているようです。写真はその中で最も小さな棚田ですが、広さは2坪ほどしかありません。そんな小さな田んぼまで耕作せざるを得なかった生きることの厳しかった時代の庶民の食料確保の努力の跡をひしひしと感じさせられました。

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コメント

現在の農業施策が「広く浅く(多くの人に少額助成)」から「狭く手厚く(担い手に手厚い支援)」へと転換された結果、集約のし難い棚田の利用価値は休息に衰えていきました。そこで、「グリーンツーリズム」という新手法でそういった生産性の低い水田を保護する施策が展開されています。山口県にも「日本の棚田100選」に選ばれた向津具(むかつく)半島があります。そこでは、棚田が荒れ草木が生い茂り、景観を損なっていました。イカ釣り漁船の漁り火と暮れる棚田の夜景が写真家に好評だったため、景観の保持のために耕作放棄された水田に肉牛を放牧する取り組みが行われました。それから10年を経て、牛の水田放牧は山口県を発信地に全国的に広がっていきました。また、山間の棚田では、近郊都市の家族をターゲットに「棚田オーナー制度」を始め、田植えと稲刈りを体験させる試みを行っています。
これからは、団塊の世代が大量退職し、第二の人生を歩むようになります。安部政権では、「チャレンジ事業」と称して団塊世代の就農をもくろんでいます。その一環として「農民民宿」と称する農業体験型宿泊施設も作られています。
生産効率を追求する農業ばかりでは、増々消費者と生産現場との解離が進み、結果、さらなる農業衰退が懸念されます。棚田は古き良き日本の農業の象徴として残していきたいものです。

投稿: 山奥 | 2006年10月22日 (日) 12時16分

休息→急速(変換ミス)
増々→益々でしたっけ?
PCのお陰で漢字ボケが進んできて困ります。

投稿: 山奥 | 2006年10月22日 (日) 12時19分

山奥さん、コメントありがとうございます。向津具の棚田の写真を見ましたが大変きれいな風景ですね。海を間近にして実に癒される景色です。これは立派な観光資源で、関係者の努力の賜物ですね。
私の行った棚田もオーナー制を取り入れていますが、アクセスや費用面の問題があり、参加者は限られているようです。文化遺産の側面や治山治水、生物の多様性の維持など効用も大きいので宿泊施設を併設したりして、学校の課外授業などに取り入れるなどの工夫も必要なのかも知れません。

変換ミスや脱字は私もしょっちゅうで、いつもこっそり訂正しています。

投稿: 雨辰 | 2006年10月22日 (日) 15時29分

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