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2006年11月20日 (月)

狂犬病の恐怖

京都市で渡航先のフィリピンで犬に咬まれた男性が、狂犬病を発症して死亡しました。国内の狂犬病の患者発生は実に36年ぶりとのことです。国内では絶滅した病気と思われていましたが、米国を始め多くの国で年間数万人が死亡している最大の感染症と言う事です。

狂犬病の怖いのは犬を始めとして身近な動物から感染することと、発症するとほぼ100%死亡してしまう死の病となってしまうことです。勿論、咬まれてすぐにワクチンを接種して発症を抑えれば大丈夫なのでいたずらに騒ぎ立てる必要は無いのですが、発生例があまりに少ない為に世間が無関心なのが気になります。

中国では患者が急激に発生している地域では、事態に対応して犬と見れば一方的に殺戮する方策を採っています。犬と人間のどちらが大切かと言えば当然人間になる訳ですが、あまりの強引な手法に国内からも反対の声も上がっているようです。我国ではこの36年間発生が無かった為過去の病気という観念が強く、危機感が欠如していますが、世界の大半の国では多くの患者が発生し、死亡している現実をもっと直視すべきではないでしょうか。

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コメント

厚生労働省からの報告では、この患者は60歳の男性で、フィリッピンで犬に噛まれたのは8月末だそうです。症状が出たのは11月9日頃からですから実に2ヶ月の潜伏期間があったことになります。通常のウイルス感染症ではウイルスの増殖は爆発的で、インフルエンザでは感染後48時間以内に抗ウイルス剤を投与しなければ発症します。狂犬病ウイルスは神経伝達性のウイルスで、咬傷部位が脳からどれだけ離れているかが発症までの時間経過に影響し、早くて数週間、長くて数年かかるそうです。また、ワクチンも感染防御に十分な抗体価を得るためには接種後2週間を要します。狂犬病のワクチンは不活化ワクチンなので複数回の接種を行わないと抗体の賦与ができません。つまり、ウイルスが増殖して発症するのが先か、ワクチンを接種して増えた抗体でウイルスの増殖を抑えるのが先かの命の競争な訳です。

日本では狂犬病予防接種は唯一法令で定められた犬の予防接種です。しかし、接種率は年々低下しているようです。さらに、空前のペットブームから狂犬病発生国からの犬、猫、エキゾチックアニマルの輸入が日常的に行われています。動物検疫において、サルやプレーリードック等の重要な人獣共通感染症(エボラ出血熱やマールブルグ病、狂犬病)を蔓延させる恐れのある動物の輸入は近年禁止されています。しかし、ハムスター等の齧歯類の規制は一部で、その他の小動物の規制はほとんどありません。
海外渡航者へのワクチン接種も、昔は強制でしたが今は任意ですし、ほとんど打つ人は居ません。近いうちに日本で狂犬病が発生することはあり得る条件がそろっています。これは最初の警告として受けとめ、国家的な対処をする必要があります。

投稿: 山奥 | 2006年11月20日 (月) 07時54分

山奥さん、コメントありがとうございます。ワクチンも抗体が出来ないと意味無い訳ですね。狂犬病のウィルスはそんなに強くないので直後の消毒薬の使用で死滅させることが可能との情報もありますが、深い咬み傷だと難しいかも知れませんね。
昨年の全世界での狂犬病による死者は5万5000人だったようですが、過去50年ほど国内での感染が無かったので、私もすっかり安心していました。ただ、これだけ海外との交流が盛んになると思わぬキャリアから感染する可能性があることを覚悟しなければいけませんし、社会全般が今回の事故を貴重な警鐘と受け止めるべきだと思います。

投稿: 雨辰 | 2006年11月21日 (火) 20時59分

36年ぶりの患者発生に驚いていたら、またまたフィリピン帰りの邦人が狂犬病を発症してビックリです。しかも咬まれたのが同じ8月とのことで関連が憶測されますが、全く別々の事例のようです。フィリピンでの昨年の発生数は200人台ですから、その中で邦人が2名が感染したとなるとかなり異例の事態ではないかと思います。まさに油断大敵と言えるのではないでしょうか。

投稿: 雨辰 | 2006年11月22日 (水) 19時20分

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