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2006年12月10日 (日)

電池の不思議

最近リチウムイオン電池の事故のニュースが目立ちます。以前から海外で純正品以外のバッテリーを使用した携帯電話が発熱するトラブルが伝えられていましたが、対岸の火事と気にしていませんでした。ところが今夏にはSONY製のバッテリーパックによるノートパソコンの発火事故が相次ぎ巨額の回収騒ぎに発展しました。

この騒動も沈静化したかと思ったら今度はドコモの携帯の破裂や発熱のトラブルです。バッテリーメーカーは三洋電機で、ニッカド電池等二次電池(充電式電池)では老舗です。SONYの事故では製造工程で発生したニッケルの金属粉が混入して急速充電方式と相まってショートを起こし発熱、発火事故を起こしたようです。三洋は製造工程で電極が変形したものが混入し、圧力が加わった時に絶縁体が破れてショートが発生したようです。

リチウムイオン電池はニッカド電池やニッケル水素電池で発生するメモリー効果が起きにくく継ぎ足し充電が可能、小型で大容量化が可能等の利点があり小型軽量が求められる電子機器に多く採用されていますが、基本的に取り扱いに注意を要する素材が使われており、充電時に発生するガスで容器が変形する危険性を持っているようです。三洋では高容量化する為に充電電圧を高く取り、これがガスの発生を促して容器の変形につながり電極のショートを起こし易くしている一面もあるようです。

リチウムイオン電池は充電時に精密な電圧コントロールが必要のようで、我々一般ユーザーは電池について専門知識を持ち合わせていないので、極力純正品以外の電池を使用せず、電池に外力や高温が加わるようなことは避けるのが賢明なようです。また、私はリチウムイオン電池を使用したら次に備える為に直ぐに充電して保存していましたが、フル充電に近いほど保存時に容量低下現象が進行してしまうようです。出来るだけ継ぎ足し充電せずに(ほんの少し使って充電しても一回は一回として寿命に影響してしまいます)使い切って、次に使用する直前に充電するのが長持ちさせるコツのようです。

電池は外から内部が見えませんが最先端の金属や化学の技術が満載されており、メーカーでも十分特性が把握できていない面もありそうなので、改めて取り扱いには細心の注意が必要であることを痛感しました。

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コメント

突然、燃えだしたり、破裂するなんてユーザーとしては恐ろしいですよね。車の発火等、近年電気系に関わる事故報告が多い気がします。複雑な機能をコンパクトに押さえ込むことに無理があるのでしょうか?
そこで、雨辰さんに質問です。
現在、ノートパソコンは携帯用というよりは卓上で使う利便性から通常的に職場でも使っています。使うときはAC電源に繋ぎっぱなしです(365日!)。内蔵電池への影響は無いのでしょうか?再充電を勝手に繰り返して加熱して発火、破裂なんてことにはならないのでしょうか?内蔵電池を取り出しておく方が良いのでしょうか?
よろしくお願いします。

投稿: 山奥 | 2006年12月10日 (日) 09時37分

山奥さん、コメントありがとうございます。私も個人ではノートパソコンを使っており、自宅と赴任先を持ち歩いていますが、少し古いタイプなので、ニッカド電池を使用しており結構な重量です。さてご質問の件です。正確なところは判りませんが、リチウムイオン電池であればPC側に充電をコントロールする回路があってAC電源が機能している時やバッテリーの電圧が規定に達していれば充電しない仕組みになっているものと思われます。もし停電やプラグが外れたりすれば即バッテリーから本体に電源が供給されますし、ある程度の時間が経過してバッテリーの電圧が規定より低下すれば、初めて充電が開始される仕組みになっている筈です。もしそうでなければ常に充電状態になり、ご質問のような状況も考えられますし、寿命も著しく低下してしまいます。
したがって、普通の環境(快適温度の範囲)で使っていれば安全の上でバッテリーを外す必要は無いと思いますし不意の電源トラブルで作成中の文書が消えたりすることを考えれば今のまま使って大丈夫の筈です。
携帯電話では常に電力を使っている為、充電器に接続すればそのまま通電されて充電が開始されてしまいますので、むやみに接続すれば充電回数が多くなってしまい容量低下を招くことになってしまいます。
また電池の場合電極や電解液等が経年劣化を起こしますので、未使用で大事に保管しても完全に容量の低下を防ぐことは不可能だと思います。

投稿: 雨辰 | 2006年12月10日 (日) 17時54分

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