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2006年12月26日 (火)

国産戦闘機生産中止に

かねて言われていた国産戦闘機F-2の生産が予定数を削減して打ち切られることが正式に決定しました。F-2については機体価格が高額になってしまったことや搭載するレーダーの性能に疑問があることなどが巷間言われていましたが、暗に肯定する結果となってしまいました。安全保障に直結しますのでこれらに対して政府がストレートにコメントすることは無いと思います。

元々F-2は我国に上陸しようとして押し寄せる大量の艦船を撃破する目的で開発されました。島国である我国が要求する特殊なスペックを満たせる戦闘機(本来は攻撃機と呼称すべきですが、政治的配慮で戦闘機に分類)は無く、独自開発して輸出もしなければ、生産機数が限定されて一機あたりの単価が高くなるのは当然なので、今更何を言っているのかと言う気もします。また、米国の場合、米軍への販売価格と他国に売却する価格とは大幅に違うようなので(既に自国調達分で償却された筈の開発費を販売価格に上乗せする為)一概にF-2が高いとは論じられません。

また、用途目的も冷戦が終結して、我国への上陸作戦の可能性が大幅に低くなって本来の艦隊攻撃から侵入機の迎撃任務が追加されました。上空から海面上の艦船を索敵する仕様のレーダーにF-15と同様に正面から飛来する航空機を索敵させることが妥当なのか疑問に思われます。艦船捕捉任務であれば問題は無いようにも聞くのですが、真偽の程は軍事機密のベールに包まれています。

何にしても我国を取り巻く軍事情勢が変わってしまった以上、効果的な防衛力を保持する為に保有する装備の見直しは当然のことと言えますし、限られた予算の中では必要以上の装備を保有するより、過剰な分をより必要な装備に振り向けるのが賢明な選択だと思います。F-2の調達打ち切り決定は、残念ですが止むを得ない結論と言わざる得ません。

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