大型衛星打ち上げへ
今週の土曜日、16日の午後にH-ⅡAロケット11号機が打ち上げられますが、あまりマスコミで取り上げられていません。それだけ打ち上げの信頼性が向上して常態化してきたのでニュースとしての価値が下がったと言うことなのでしょう。但しロケット、衛星とも技術的には進化を続けており、11号機では技術試験衛星きく8号を搭載しますが、国産の衛星としては過去最大の5.8トンもあります。ロケットも打ち上げ能力向上の為、通常2本のブースターを4本にしてパワーアップしています。
H-Ⅱロケットは今後メインエンジンを2基搭載して衛星打ち上げ能力を更に向上させたH-ⅡBタイプが計画されていて、搭載衛星の重量によってH-ⅡAとⅡBを使い分けていくようです。現在でも有人宇宙船を打ち上げる能力はあるので、いつの日か実現させて欲しいものです。
きく8号は19mX17mの巨大アンテナを送信用、受信用と2枚装備しており地上との小型端末や携帯電話との直接通信をめざしています。現在イリジウム等低軌道(受信機の能力が低いので通信距離を短くする為)に多数の衛星を打ち上げて通信ネットワークを運用していますが、高額なコストがかかっています。きく8号では衛星側のアンテナを大型化することで、小型端末との通話を可能にし、放送衛星のように1機で全国をカバーすることも可能となります。但し赤道上の静止軌道では角度が低くなり地上の障害を受けやすいので、真上近くに衛星を配置する必要があります。今後天頂衛星の打ち上げ実験も予定されていますので、将来これが実用化されれば高価な専用電話機を使用せずに国内全域で衛星電話が利用でき、緊急時の通信確保に大いに期待されます。
今のところ当日の天候は期待出来そうなので、無事打ち上げが成功することを願っています。
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コメント
搭載衛星きく8号の折りたたまれていたアンテナの展開で受信用は無事に展開できましたが、送信用は作動が上手く確認出来ずにその成否が心配されていましたが、今夜送信用も無事に展開できたのが確認されました。今後はこれらのアンテナを使って予定された通信実験が成功することを祈っています。
投稿: 雨辰 | 2006年12月26日 (火) 23時00分