静岡空港の見果てぬ夢
静岡県では県の中央部、牧の原台地を造成して静岡空港を建設中です。人口380万人の静岡県には今まで民間空港がありませんでした。それもその筈で、浜松、静岡の両市には限定的ですが新幹線のひかりが停車するので、東京、大阪へも2時間未満で移動が可能です。九州、北海道への移動でも何時飛ぶか判らない少ない便の地方空港を利用するより、より便数の多いセントレアや羽田を利用した方が便利で早く着けてしまうからです。アンケート調査でも県東部の住民は羽田志向ですし、西部の住民はセントレアに利便性を感じています。
にもかかわらず、自治省出身の県知事がどうしても空港を作りたいといって強引に事業を進めているのです。官製の事業予測が当てにならないのはアクアラインや瀬戸大橋の例を見るまでもなく、先発した地方空港はどこも需要の不振から路線の撤退や開港しても定期便が就航出来ない所も出ています。昨年開港した神戸空港も需要予測が外れ、12月の搭乗率は最低の53.1%と低迷しており、利用客数は年間予測の約85%にとどまる見込みです。静岡空港も需要予測の甘さが指摘されており、開港しても赤字は必至との見方が多く聞かれます。
そんな折も折、経営改善を迫られるJALとANAが、不採算を理由に相次いで地方路線からの撤退を発表しており、その中に比較的条件の良いはずの神戸空港も複数含まれています。神戸空港も関西、伊丹と近距離に既存空港を抱えた中での強引とも言える開港でしたが、やはりと言う感じです。以前から言われることですが、公共事業は一旦スタートしてしまうと当事者のメンツからか、どんなに前提条件が激変しても中止されずに進行し続けてしまいます。もう一度立ち止まって、計画を見直す勇気が必要なのですが、・・・・・。
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コメント
東海地方や関東周辺の地方空港の開発や経営については私も疑問に感じるところがありました。需要が最も高い羽田への航路も搭乗手続き、離発着時間、空港から都心部への移動時間を含めると新幹線の方が早い場合もありますよね。私が住んでいるところは本州の西端の県ですから、羽田への航路は必要条件であり、東京駅を目的地としたトータルの時間差も新幹線とは2時間以上あるため需要は高く、朝夕の便はほぼ満席です。
以前は沖縄便や北海道便もあったのですが、これは需要が季節的にしか見込まれず廃止になりました。また、隣の県には24時間空港である新北九州空港や豊富な便数がある福岡空港があることも廃止の一因でしょう。
私も地方空港の整備はほどほどにして、中核空港へのアクセス向上のための交通機関や高速道路の整備の方が重要だと思います。(多額の工事費や維持費を考えれば、○○空港行きシャトルバス無料運行したほうがよほど国民の理解が得られるかも。)→道州制なったらそういうこともあり得ますかね。
投稿: 山奥 | 2007年1月15日 (月) 07時37分
山奥さん、コメントありがとうございます。地方空港を全て否定する訳ではありませんが、ハブとなる空港から2時間以内の所に地方空港を作っても搭乗手続きの時間を考えれば、時間的優位は全く無いものと思います。例え週1便の空港が10分の所にあったとしても5日後しか便が無いのであれば、120時間待たなければなりません。そんな空港を作るより、毎日便があるハブ空港へのアクセスを改善することに経費を投入する方がよほど予算の有効利用と言えるでしょうね。
宮崎で鳥インフルエンザが発生したので応援などで、さぞお忙しいことと思います。庶民の食の安全を守る為、沈静化へのバックアップをお願いします。
投稿: 雨辰 | 2007年1月15日 (月) 22時16分