環境と税収
京都は国連の地球温暖化防止会議の開催地であり、その取り組みを定めた議定書は京都議定書と呼ばれています。昨今の異常気象を思うにつけ、各国、とりわけ米国の1日も早い条約の批准、実行が望まれます。
米国は自国の産業活動に支障があるとして環境問題への取り組みが軽視されています。その米国ではエタノールが85%の燃料が市販されており、我国のカーメーカーも対応する製品を輸出しているとの事です。一般的に環境負荷物質の排出においてガソリンよりもアルコール系の燃料の方が低公害と言われているようです。ところで、今年4月に日本でインディ500マイルのレースが行われるようですが、これに使用されるエタノール燃料が、我国の酒税法上酒とみなされて、とんでもない税金が課金されるということです。勿論、燃料用の場合は飲用されないように2%ほどのガソリンが混入されており、酒代わりに飲むことなどできません。政府はかつてメタノールを主成分としたガイアックス等のガソリン代替燃料の普及を、軽油揮発油税の減収を恐れて安全性を口実に阻止してしまいました。化石燃料が有限の資源として戦略物資化している現在、環境問題にも貢献し、農産物から繰り返し生産できるエタノールの使用についてもっと前向きに考えても良いのではないでしょうか。
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コメント
ちょっとご無沙汰してました。
地球温暖化の影響か、今年は全く雪が積もりません。化石燃料をこのまま継続的に使用すれば温暖化はさらに進むでしょう。そんな中、バイオマスを使った燃料が着目されています。間伐材をチップ化し発電や暖房に使うことは素より、家畜の糞尿を発酵させたメタンガス燃料、トウモロコシやさとうきび等を使ったバイオエタノールも加速的に開発されています。
しかし、このおかげで困ったことも起こっているのです。家畜用飼料の価格高騰です。ご存じの通り、日本の畜産は輸入飼料によって維持されているといっても過言でありません。特に、豚、ニワトリは畜産物価格が安価な分、経営に占める餌代の割合増は深刻な問題です。狭い国土では飼料の自給生産は困難です。食糧自給率も畜産が足を引っ張っている事実...関係者として複雑な思いです。
我が家では、今年は温暖化のおかげで石油系暖房器具のお世話にはならず、エアコンだけで暮らせました。今後は、効率的な電気暖房器具を開発し、発電を自然やバイオエネルギーへ移行させていく努力が必要と思います。
しかし、まずやらなければいけないことは、我々が省エネに努めることでしょう。
投稿: 山奥 | 2007年2月10日 (土) 20時25分
山奥さん、早速コメントありがとうございます。温暖化防止には排熱、そしてCO2の削減が必要ですね。環境負荷的には優れているエタノールですが原料であるとうもろこしは国によっては主食となっている大切な食料です。エタノールの増産によってとうもろこしの国際価格にも影響が出ているようで、あちらを立てればこちらが・・・といった状態のようです。ただ長い目で見れば、化石燃料はいずれ枯渇する運命なので、代替の燃料を確保しなければなりませんが、食料か燃料か形を変えた資源の争奪戦になってしまうのは避けなければなりません。
収穫するのにコストやエネルギーが最も少なくて幅広い環境で生育するような作物の改良も必要ですし、作物の浪費にならないように畜産や養鶏などと上手くバイオのサイクルが築けるような工夫が求められるのでしょうね。政府にも目先の税収に囚われることなく、全地球的な見地に立った取り組みを期待したいと思います。
投稿: 雨辰 | 2007年2月10日 (土) 21時06分