300日規定
民法では離婚した女性は6ヶ月間再婚が認められません。これは離婚後に妊娠が判明した場合に父親を明確にする為と言われています。一方で再婚しても離婚300日以内に出産した場合は前夫の子として取り扱うという規定があります。最近では医学の進歩で本来は300日以後の出産予定が早産によって早まっても無事に生育するケースが増えたこともあり、この規定によって現夫の戸籍に入れない子供が年間1,000人以上(3,500人説もあり)生まれているそうです。現夫の子として認めてもらうには前夫に自分の子では無いことを証明してもらう必要がありますが、離婚のいきさつからそのようなことが望めない人が多く、このことによって戸籍のない状態が発生してしまっているようです。
この規定は医学が未発達だった明治時代に制定されており、最近のDNA鑑定技術を使えば、親子関係の証明も簡単な筈なのに法務省はこういった声にあまりに鈍感です。自治体の受付窓口が法務省に対して法律と現実の乖離を指摘して法改正を求めても門前払いをしています。最近この問題が全国的に注目されるようになりましたが、些細なことには妙に張り切るくせに、このような重大な人権問題で対象者も多いのに長勢大臣は検討のそぶりも見せません。これでは放務大臣、法無大臣と呼ばせてもらうしかありません。少子化とは直接関係無いかもしれませんが、どんな形であれ新しい命の誕生を歓迎しない政府というのは国民にとって悲しい限りで、育児放棄の新生児の命を救おうとする赤ちゃんポストも否定してしまう現政権の弱者切捨ての非情な本質を見せつけられた思いです。
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コメント
この問題について与党が検討を開始しました。家族関係が複雑になっている現在、カビの生えたような規定が何十年も放置されてきたのは与党の怠慢以外の何物でもありません。
政府は国民に出産の増加だけを要求してきましたが、どんな形にしても生まれてきた乳児が祝福されない国家には未来は無いと思います。出来る限り早く制度や運用が見直されて、不幸な子供が生まれることが無いことを望みます。
投稿: 雨辰 | 2007年3月16日 (金) 21時41分