« 食は安全? | トップページ | アナログ放送余波 »

2007年6月26日 (火)

戦場の経済学

陸上自衛隊で退役が始まったAH-1S攻撃ヘリコプターの後継としてAH-64Dの配備が進められています。もともと攻撃ヘリは対戦車ヘリと呼ばれ、戦車キラーとしての能力を期待されていました。ところが近年携帯ミサイルの進化によって1発のミサイルでヘリコプターが撃墜される事例が増えているようです。携帯ミサイルの場合目標が発する赤外線を追尾するシステムが大半(別の追尾システムもあります)ですが、高い機動性を要求される軍用ヘリの場合、格好の餌食となる排気温度の高いジェットエンジンを搭載するのが通例です。

またヘリから戦車にミサイルを発射する場合、ヘリから目標に誘導する作業が必要となる為、一定時間空中に静止する必要があるようです。このような状況から、攻撃側は容易に攻撃ヘリに対して対空ミサイルを発射する機会が得られます。アフガン、イラクでヘリの撃墜が増大しているのはこのような理由によるようです。

ちなみにフル装備のAH-64Dの価格は一説に74億円、そのターゲットたる戦車の価格10億円前後、携帯ミサイルの価格推定数千万円(ASM-2対艦ミサイルの価格約1億円から推定)です。費用対効果を考えた場合このような兵器運用が妥当なのかどうか大いに疑問ですが、国会で議論されることは無いようです。さすがに自衛隊内部でも運用能力とコストパフォーマンスについて疑問が呈されているようですが、納税者である我々は税金の使途についてもっと関心を持つべきではないでしょうか。

|

« 食は安全? | トップページ | アナログ放送余波 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 戦場の経済学:

« 食は安全? | トップページ | アナログ放送余波 »