F-22の教訓
米国議会が最新鋭ステルス戦闘機F-22の海外への売却を再度否決しました。F-22は高いステルス性と高機動性を併せ持ち、搭載ミサイルを機内に格納することによって相手レーダーにまったく察知されずに相手の攻撃範囲外からミサイルを発射して先手必勝で撃墜してしまうことが可能です。また、他の超音速機の場合燃料消費の莫大なアフターバーナーを使用して極めて短時間だけ超音速飛行が可能なのに対して、F-22は継続して超音速飛行が可能と言う夢の戦闘機です。この為自衛隊ではF-XとしてF-22の導入を切望していましたが、改めて明確にNOを突きつけられた格好です。
自衛隊は発足当初から米国から主要兵器を導入して来ましたが、米国は自国の利益を最優先してはばからない国だと言うことを内外に示したものです。これは米国が新たな軍事作戦を展開する際にF-22の攻撃力を絶対視している証拠でもあります。その為、絶対流出させてはならない軍事機密を垂れ流すような国に売却して、その国からF-22の機密が漏洩しては米国の軍事行動の手を縛りかねないと考えたからでしょう。多分、当面の危機である北朝鮮、イランの核開発にある程度の歯止めの目途が立たない限り、我国への売却は無いでしょう。
かつてF-2を独自開発しようとした時、米国はあからさまに干渉してF-16をベースにすることを強要し、しかも主要な一部機能については供与を認めませんでした。我国は東西に細長く延び、四方を海に囲まれて背後に壁もなく侵入機に対する対応時間が極めて限られる防衛上極めて守りにくい特殊な環境下にあり、その運用構想は他国のそれとは大きく異なる為にどうしても独自の装備が必要になってきます。F-Xについてはこの際米国の都合に振り回されるよりも、次善の策としてユーロファイター・タイフーンを導入して時間を稼ぎ、国産機を独自開発すべきと考えます。我国の国益が問われる時に米国の支援が得られるとは限らないからです。自分の身は自分で守ろう、当たり前のことですね。
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