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ランチェスターの法則

参院選で惨敗した安倍政権を引き継いで福田体制がスタートを切っています。参院選以降に国会の空白が長引いた為、主要閣僚を留任、再起用してまずは落ち着いた船出と言えるでしょう。テロ特措法に変わる新法の早期成立と平成20年度の予算成立が当面の政治課題となっている為、所信表明や代表質問でも民主党に配慮を見せる姿勢を見せています。

対する民主党は政権奪取の最後のチャンスとばかり徹底的に与党と対立の構図を強めています。自民党の事前協議の呼びかけにも国会の場での議論が筋との立場を貫いています。今までは与党の完全過半数の前に牛歩戦術や不信任案の連発といった非建設的な対応しか出来なかったことを思えば本来あるべき議会の姿として喜ばしい限りです。ただ衆参で与野党がそれぞれ過半数を占める状態は金縛り的に政治の足踏みを生み出しかねないので早期の衆院選が必要でしょう。

ところで、民主党の強硬姿勢の背景には小沢党首の政治姿勢もありますが、鳩山幹事長の国会対策方針が大きいとのことです。鳩山氏は政界入りの前は経済工学が専門の大学教授でした。経営学の理論の中にランチェスターの法則と言う考え方があり、販売戦略などに活用されているのですが、これを与野党の攻防に当てはめていると言うのです。元々ランチェスターの法則は第一次大戦の空中戦の戦力比と勝敗を解析した理論で優勢側は自軍の損失を抑え、劣勢側は数的不利を挽回する手段を講ずるのが趣旨で、第二次大戦以降の米国の戦略に大いに活用され、その後経済の分野にも転用されて現在に至っているようです。生臭い政治の世界に学問的理論を持ち込むとはいかにも学者出身の鳩山氏らしい着想と言えます。

鳩山氏の見方によれば、販売戦略では優勢勢力が劣勢である攻め手に一番効果的に対処するには相手と同じ土俵に立って相手のセールスポイントを目立たなくさせることが定石とのことです。よくある世界最小、最軽量競争などが典型でしょうか。うがった見方をすれば福田首相が施政方針演説で民主党のキャッチフレーズである「共生」を持ち出したのも計算ずくの結果だったのかも知れません。政治と言う極めて人間臭い駆け引きの世界で、どこまで学問的理論が通用するのか興味を持って見守りたいと思います。

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コメント

「相手と同じ土俵に立って」
「次の内閣」も鳩山戦法なんですね。

投稿: 山奥 | 2007年10月12日 (金) 05時47分

山奥さん、コメントありがとうございます。

>「次の内閣」も鳩山戦法なんですね。

まず次の総選挙で民主党が第1党になることが先決ですが、その上で誰が首班になるのか興味のあるところです。一説には小沢氏は首班指名を受けないとの予想があるようですがどうなのでしょうか。

何にしても衆議院と参議院の第1党が違っては国政運営にとっては問題です。参議院の優位が今後6年間続くことを思えば民主党が衆議院でも第1党を握る方が国会運営には好ましいのですが、選挙は水物です。

何にしても政治にはある種のパワーが必要です。圧倒的な国民の支持か与党としての過半数以上の議席か、はたまた野党をも取り込むカリスマ性か。かつて自民党政権下で少数派閥から三木氏や海部氏が首相に就任しましたが、党内の派閥力学に対抗できず、海部氏などは解散権さえ行使できずに退陣に追い込まれました。少数与党になる事態だけは避けて欲しいものです。

民主主義というのは時に混乱を生じますが、次期衆議院選挙には現在の政治情勢をよく理解した上で投票に臨んで欲しいと思います。

投稿: 雨辰 | 2007年10月12日 (金) 19時50分

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