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2007年11月14日 (水)

電子カメラ考

今日カメラの世界ではデジカメが完全にフィルムカメラを凌駕しています。ちなみにデジタルカメラの略称であるデジカメは三洋電機の登録商標です。

そのデジカメについて週刊ポスト今週号にデジカメヒストリー展なる記事が載っています。その記事によれば第1号機を世界初の電子スチルカメラとして1981年発表の画素数28万画素のソニーのマビカを紹介しています。しかし厳密に言うとこのマビカはデジカメではないのです。マビカはビデオレコーダーの技術を基に2HDのフロッピーディスクに映像を記録した世界初の電子スチルカメラですが、信号処理は紛れも無くアナログでした。その後マビカの規格は公開されスチルビデオカメラ規格が制定され、1986年にキャノンから「RC-701」が量産商品として世界で初めて市販されました。そしてカシオが1987年に「VS-101」を、本家ソニーが「マビカMVC-C1」を市販したのは1988年のことでしたが結果としてアナログ電子カメラは消費者に受け入れられませんでした。アナログ電子カメラは速報性はありますが、パソコンが普及する以前でしたので[RC-701]では周辺機器を含めると500万円とあまりに高価だったことで、用途がほぼ業務用に限定されてしまったことや、家庭では撮影した画像はテレビに繋いで見るしかなかったこと、撮影画素数がフィルムカメラの能力に遠く及ばなかったことが主な理由でした。

その後富士フィルムが1988年に世界初のデジカメ「FUJI DS-1P」を発売し、1991年の今日11月14日にカシオからデジカメの主要な要素である液晶パネルを搭載してその場で撮影した映像を見る事が出来て、パソコンにも簡単に2接続することが出来る画期的な25万画素の「QV-10」が発表され、一気にデジカメ時代を切り開くパイオニアとなりました。その後のデジカメの躍進は皆さんのご存知の通りです。カシオは電卓でもそうでしたが斬新なアイデアで、日本のエレクトロニクスの発達史の中で時代を先取りする役割を果たして来たと思います。

写真は週末に宿泊した浜名湖湖畔の宿から撮影した浜名湖東岸の夜景です。手持ち撮影なので、ガラスにレンズを押し当てての撮影ですが、こんな写真が簡単に撮れてしまうのもデジカメならではのことで本当に素晴らしい技術だと思わずにはいられません。

Pb100001

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コメント

デジカメ開発秘話
プロジェクトXにもありましたね。
私が最初に買ったデジカメは135万画素のキャメディア840Lでした。当時で9万円しましたね。
今はどんどん安くなって...携帯電話のカメラも良くなって...
防水携帯を所有しているせいで、ブログの写真はすべて携帯で撮っています。動画も撮れるから本当に便利ですね。

投稿: 山奥 | 2007年11月16日 (金) 06時22分

山奥さん、コメントありがとうございます。デジカメのさきがけとなったマビカは素晴らしいと思いますが、所詮はアナログ技術でしたので、やがて来るデジタル時代の先駆的役割を果たしたものの商品として花開くことはありませんでした。その子孫とも言えるカシオのQV-10こそがデジカメ時代を切り開いたエポックメイキングなカメラだったと思います。当時割安だったワープロを選択してしまった我家ではデジカメを生かす環境に無く、世間の評判をよそに指を咥えているだけでした。


>ブログの写真はすべて携帯で撮っています

携帯であんな写真が撮れるなんてスゴイですね。私は携帯での撮影は苦手です。緊急時にはお世話になりますが、デジカメの方が使い易いと思います。最近のビデオカメラにはフォトカメラ機能も付いていますが、デジカメと比べると露出の性能は足元にも及びません。デジカメとビデオの二刀流は大変なのでビデオカメラを動画と静止画で切り替えて使おうと思ったこともありましたが、やはりデジカメの方が出来栄えが違いますね。

投稿: 雨辰 | 2007年11月16日 (金) 23時12分

NIKKEI NETに関連記事が掲載されています。よろしかったら下記URLへ。

http://waga.nikkei.co.jp/hobby/camera.aspx?

投稿: 雨辰 | 2007年12月 9日 (日) 08時53分

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