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2007年11月22日 (木)

性悪説

ミートホープ、白い恋人、比内地鶏、赤福、船場吉兆と食品偽装が止まらないと思っていたら、マンションの耐震強度にかかわる鉄筋本数や鉄筋強度、防火用の耐火ボードや橋梁用の鉄骨材の偽装まで世の中偽装のオンパレードです。

古来より誤魔化す(胡麻と化すから転化)、サバを読む(鯖の本数を誤魔化すから転化)など人を騙す例えが存在することからも、人を騙して利益を上げることは人間としての業なのかも知れません。故人は衣食足りて礼節を知ると述べています。生きるか死ぬかの瀬戸際ではなりふり構わぬ所業も許されるのかも知れませんが餓死者が今も存在する北朝鮮ならいざ知らず、豊富に物資が溢れているこの日本でこのような恥ずべき行為が平然と行われていることに強い怒りを禁じ得ません。

かつて雪印や不二家が同じ轍を踏んだ教訓を知りながら、敢えて違法行為を継続した行為は脱法の常習化と指弾されても仕方ありません。世知辛い世の中にあって弱者が命の糧としている食品の世界で偽装がまかり通り、行政がそれを見抜けないのは先進国の実態としてあまりに情けない姿です。世の中は善意の人に支えられていると信じたい思いですが、人間みんな根は悪人だと言う性悪説を一思いに振り払うことが出来ないのが残念です。

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コメント

公務員バッシングをやめ、人数を今の倍にして、職務権限を警察同様にし取り締まりを強化する。さらに、検査費用を製品に転嫁し、今よりも物価を上げれば偽装は減ると思います。
本質的な偽装というより表示や規格での偽装なので、取り締まるにしても相当の時間と労力、経費が必要になります。でも、それを望まないのだから自己防衛するしかないでしょう。今の日本人は偽装する方も騙されてる方も他力本願で無責任です。
(性悪説の世の中で)人間を信じず1人で生きていくことが無理ならば、(火急的速やかに生命の危険が曝されない限り)ある程度は騙されて生きていくことは仕方がないのかもしれません。それが、社会弱者(高齢者、子供、傷病者、貧困層)に重くのしかかるのを見ると歯がゆい思いで胸が痛みますが...。

投稿: 山奥 | 2007年11月23日 (金) 05時07分

山奥さん、コメントありがとうございます。取り締まる側に数的制約があるのなら一罰百戒を狙って罰則を強化すべきだと思います。法体系全体のバランスがおかしいのでしょうが、耐震偽装で多くのマンション購入者に多大な損害を与え、その家族の人生をも滅茶苦茶に狂わせてしまったた姉歯元建築士でさえわずか懲役5年の判決です。
食品偽装ではJAS法違反容疑のようですが、内容を偽って販売するのであれば法の解釈上認められるのかどうか判りませんが、詐欺罪に当るのではないでしょうか。偽装が発覚すれば厳罰に処せられるということを世に知らしめないと残念ながらこの種の犯罪は減らないように思います。
ただ比内地鶏などはブランドを信仰し高級鶏肉と廃鶏の判別が出来なかった消費者にも責任の一旦はあると思います。ヒューザーの事件でもそうでしたが、商品と価格のバランスが適正であるかどうか、真贋を見極める消費者の器量も求められているのかも知れません。

投稿: 雨辰 | 2007年11月23日 (金) 10時42分

地鶏と廃鶏...専門家から言わせれば味はどっこいどっこいです。廃鶏だって料理の仕方次第で美味しいですよ~。名前やブランドを採るか価格を採るか。賢い消費者になるには難しい世の中です。ミートホープの社長の偽装根性にはある意味で頭が下がりますね。(あの賞を受けたひき肉混合装置の開発とか)

詐欺罪を適用する場合、商品価値の部分が争点になるのかな?宝石や株価証券なんてものは理解できるけど、肉の本質的価値ってどうなんでしょ??

投稿: 山奥 | 2007年11月23日 (金) 19時13分

山奥さん、再コメントありがとうございます。食材と調理方法によって味が決定される以上、食材の欠点を調理法によって補うのは判りますが、グラム数百円の肉とグラム50円の肉の差が判らないというのはちょっとどうかと思います。もしそうであるのならグラム数百円の地鶏の存在価値など無いも同然です。

人間は見た目によって味を判断してしまいます。有名な話ですが、その逆でジャガイモをスティックにしてブラインドテストで味わうとフランス語のジャガイモの表記の如く「大地のリンゴ」すなわちリンゴと区別がつかないそうです。飲兵衛の私ですが、ビールのブラインドテストは全く自信がありません。

先ごろ日本版ミシュランのレストラン評価が明らかにされましたが、食物は評判や見た目で無く、自身の舌で評価すべきだと思います。若い頃地元で評判のラーメン屋、餃子の美味い店を食べ歩いた経験から言わせてもらえば、世間の評判ほど当てにならないものは無いと言うことです。例え安くても美味いものは美味い、いくら高価でも美味くなければはっきりと不味いと正直に表明すべきです。あの裸の王様のように見えもしないものを美しい言うが如く、例え有名店の料理でも美味くなかったらはっきり不味いと言う勇気を私達も持つべきなのでしょうね。

投稿: 雨辰 | 2007年11月23日 (金) 21時00分

連休中なのに予定なしなので、再々コメントを(爆)。
説明が足りませんでしたね(汗)。
実は、地鶏も和牛肉も日本全国どこのもルーツは似たり寄ったりなんです。地鶏と表記するためには国産鶏種の血が50%以上入ってないとだめで、多くの場合、名古屋コーチン、ロードアイランドレッド、軍鶏が混じっています。
黒毛和牛も今販売されている肉の血統(限られた種雄牛の掛け合わせ)の元をたどれば佐賀牛も鹿児島牛も神戸牛、三田牛も一緒です。
ブランド名は産地、肥育技術の差だけです。
つまり、名称という面で偽装があっても中身は余り変わりがないということになり、(全く違う家畜の肉を使うとか賞味期限改ざんは論外ですが)本質的な部分では問題ないのかなと思ってしまいます。

ミシュランも地元やEU諸国では(統合により経済的に裕福では無くなってきたため美食に目が向かなくなり)人気が無くなってきたためアホな日本人に目を付けたのでしょう。
我が家では、奥が作る食事が最も口にあって美味しいと思っています(それで結婚に踏み切った様な...おっと決してのろけでは無いですぞ)。外食で美味しいと思うのは新鮮な魚介類を使った刺身や寿司、素うどんやざる蕎麦ぐらいのものです。シンプルイズベストですね。

投稿: 山奥 | 2007年11月24日 (土) 05時44分

山奥さん、コメントありがとうございます。良き伴侶に恵まれてお幸せとのこと、大変ご馳走様です。

専門的な指摘ありがとうございます。牛肉については遺伝的にはその通りだと思います。後は飼料の配合とか量によっていかに日本人好みの味に仕上げるかの違いですね。産地の名前よりも飼育者の方が重要な要素だと思います。
世間では出荷間近に大量に穀物飼料を与える国産や米国産に人気があるようですが、個人的には肉本来の味がする牧草中心のOGビーフが好みです。

ただ鶏肉については食肉を目的とした国産系と採卵を目的とした白色レグホン(正式にはレグホーンですか)とでは、元々持っている肉質も違う筈ですし、ましてや廃鶏ともなれば更に肉の品質が下がっているのではと思いますがどうなのでしょうか。
鶏の唐揚げが好きで地鶏と称される肉を使って時々自分でも作りますが、ブロイラーと比べて値段の差による味の違いはあるような気がします。(思い込みか?)

ミシュランについては嗜好の問題ですからあくまで一つの考え方であって、参考程度に留めるべきでしょうね。

投稿: 雨辰 | 2007年11月24日 (土) 06時46分

連休最終日なのにコメントです(爆)。
廃鶏には肉用鶏種鶏(ブロイラー用の素ひなとなる卵を産ませる親鶏)や卵用種鶏、卵を産ませた後の年取った鶏等様々です。
地鶏=歯ごたえコリコリと勘違いしている消費者が多いことが偽装のきっかけとなったのでしょうね。地鶏ブームで養鶏業界は地鶏ブランド作出に躍起です。私は地鶏よりはブロイラー(お気に入りは深川養鶏のハーブ鶏です)の方がやわらかくて好きですけどね。
OGビーフが好みの雨辰さんにお勧めなのが山口県にしか居ない和牛(無角和種)のお肉です。どっちの料理ショーにも出たことがある肉本来のうまみに特化したオーガニックビーフです。親牛は放牧により野草を食べて子牛を産み、粗飼料100%で肥育されます。数が少なく市場に出回らないのが難点ですが、通販等で買えるのではないでしょうか?
(今回は山奥一押しの山口県産畜産物のPRでした(笑))

投稿: 山奥 | 2007年11月25日 (日) 07時37分

山奥さん、コメントありがとうございます。廃鶏と一口に言っても素性は様々な訳ですね。私は食感も大切ですが、それより味を重視します。幼少期、自宅で採卵用に鶏を飼育し、時々自家消費した思い出からすると採卵用の鶏でも配合飼料のみでなく、葉物野菜等で飼育された鶏は味が濃くて美味でした。

経営的に見れば出来るだけ安い飼料で短期間に育てる方が収益が多いので、味のことは二の次にされているのではと思いますが、長い目で見れば消費者の支持を失うのではないかと思います。

投稿: 雨辰 | 2007年11月25日 (日) 20時52分

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