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2008年1月11日 (金)

馬鹿げた話

去年の暮れに自衛隊横須賀基地に停泊中の自衛艦「しらね」基準排水量5200t が電気系統が原因と見られる出火によって8時間にわたって延焼し、CIC(戦闘指揮所)と呼ばれるレーダーや各種ミサイルの発射管制、及びデーターリンクを含む通信システム全体の機能を喪失する火災事故がありました。被害額はおよそ200億から300億になると報道されており、就役から28年たっていることから修理断念の声が上がっています。

被害がここまで大きくなったのは自衛隊の運用に問題があったと言わざるを得ません。通常電子機器や注水によって爆発の恐れのある設備の消火には不燃性のガスや粉末の消火剤が使われます。当初消防に通報せずに独自で消火にあたりましたが初期消火に失敗し、火災規模が大きくなってから通報しています。結局注水以外の消火方法が無くなり、海水を注水して鎮火させましたが、周辺設備が冠水して被害が拡大したものです。

軍艦の炎上と言えば1982年のフォークランド紛争でアルゼンチンの航空機から発射された対艦ミサイル「エグゾセ」が命中した英国のフリゲート「シェフィールド」があります。このミサイルは不発だったのですが、それでも発電機が破壊、更に火災が発生して自己航行機能を失い曳航途中に沈没しています。この時の火災も通信ケーブルの延焼によるものと言われています。この時点で既に「しらね」は就役している訳ですが、後日当然この戦訓は生かされるべきでした。

「しらね」も軍艦ですから戦闘により被弾、炎上する可能性は考慮されていなければなりません。ましてや高度な電子機器が満載されている訳ですから万一火災が発生した場合の検知機能や初期消火システムは万全でなければなりません。それが外洋航海中でなく停泊中でこの有様ですから防火及び消火体制に不備があったか全く考慮されていなかった可能性があります。、もし有事の最中だったらどうするのでしょうか。また中枢機能を一箇所に集中してしまうやり方は効率的な反面、トラブルによって全ての機能がダウンしてしまう欠点がありますが、「しらね」ではリスク分散やバックアップの考えは考慮されていなかったようです。

何にしても500億円以上(30年前の建造費プラスその後の改造費)の費用を投じてきた軍艦を失火によって退役させてしまうなど軍人として恥の極みです。また、廃艦にするには装備品の撤去などに更なる費用が発生します。簡単に除籍とせずに残った機能を生かす方向を考えて欲しいものです。

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