食の安全について
冷凍ギョーザに農薬が混入していた事件が拡大しています。従来報道されていた12月初旬の製造分だけでなく、9月製造分からも微量ながら農薬が検出されたようです。今回の混入濃度が非常に高いことから、原材料の残留農薬ではなく農薬そのものが混入されたされたようです。どうも事故ではなく、事件の様相が強くなってきました。
今回のメタミドホスは常温では野菜の腐敗臭のような異臭がするようですから、おかしいと思った食品はまず口にしないと言うのが大原則です。日本人は大手メーカーが販売しているものはすべて安全と信じ込んでいますが、(本当はそうであるべきですが)過去の食品偽装事件が示している通り絶対ということはありません。農産物の残留農薬や薬物の蓄積についての検査についても流通量に対して非常に少ないサンプルしか確認できていないのが実情です。このような検査にはコストがかかりますからその費用を誰が負担するかと言うことも切実な問題です。
外国産の食料品が全て危険だとは思いませんが、最近国内では生産者の氏名や顔写真が表示された農産物が販売されているのも安全を求める消費者の意向と無関係では無いと思います。原料である野菜や食肉と加工食品とでは起こりうる事柄も違うとは思いますが、まずは安全が確認できる物を選択するというのが安心して暮らす第一歩ではないかと思います。地域によっては全てを賄うことは出来ないことだとは思いますが、地産地消の実行と言うこともひとつの考え方ではないでしょうか。
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コメント
今回は、比較的消費者サイドの考えが浸透していた生協でも流通していたことがより衝撃を与えたのでしょうね。
我が家も子どもが産まれてからは特に国産のものしか買わないようにしています。冷凍食品は肉まんをたまに買いますが、後は自家製のギョウザやお好み焼きを作り置きして冷凍保存しています。利便性にはそれなりのリスクがつきまとうのは世の常なのでしょうかね。リスクアナライシス、リスクコミニケーションを国や企業には力を入れてお願いしたいものです。また、それらを考慮した上で、消費者は賢い選択をしてほしい。
しかし、びっくりしたのは、学校給食でこれら冷凍食品を使用していたこと!給食は有無を言わさず強制的に子ども達が食べさせられるものです。私は学校給食反対派で、お弁当を持参すれば良いと考えています。今の給食の目的は、栄養をとらせるためではなく、家庭の負担軽減といったところで、しかも、給食費も支払わない無責任な親のおかげで給食食材の質は下降の一途です。そのためこのような輸入冷凍食品に手を出すようなことになるのでしょう。
私は日本の農業政策に携わっている末端の人間ですが、国産、地産地消を臨むのなら、それなりの付加価値のついた価格を消費者には受け入れてもらいたいです。それを受け入れないのは給食費を払わない親と同等の価値観しかないと私は考えます。(人間の生きる基本である食を差し置いて、娯楽を追求する日本人は、世界的に見ても異例な人種です)
投稿: 山奥 | 2008年2月 6日 (水) 06時02分
山奥さん、コメントありがとうございます。食料自給率40%に満たない我国では残り60%は海外産の食料に頼るしかありません。精神論では国産愛好でも、全てを賄うわけにはいきません。コストが優先される外食や弁当では不本意ながら外国産食料を口にする可能性を排除出来ません。
また食品の検査にはコストがかかりますから、輸入食品も全数検査する訳には行きません。この費用を誰が負担するかと言うことも大きな問題です。費用対効果を狙って、出来るだけ効率の良い方法を選択するしかないのかも知れません。
我国では農産物は農水省、加工品は厚労省と所管が分かれるために、一元的なコントロールが望めません。最後は各自の自分を守る意識が身を守ることになるのかも知れませんね。
投稿: 雨辰 | 2008年2月 6日 (水) 23時22分
今の自給率では国民すべてが国産のものを食べることができないのは悲しい現実です。でも、そう言って諦め、安い輸入品を買う習性を改めないといつまでたっても自給率は向上しません。昔の日本は精神論で物量戦に立ち向かっていきました。今や欧米よりも精神論で負けている日本に何が他の国より勝っていると言えるでしょうか?出来ないと思うことでも強固な精神で乗り切るくらいの意気込みがないと今の日本国家は崩壊します。日本の農地の半分近くが遊んでいるのです。これは何が原因なのでしょうか?経営努力しない農家悪いのですか?補助金ばらまきの行政が悪いのですか?成果に見合った対価を支払わない消費者が悪いのですか?
安全は国が保障、安心は個人がお金で買うものと私は考えます。国は新たな省庁「消費安全庁」(名称はちょっと違ったかも?)の構想を思案中です。
投稿: 山奥 | 2008年2月 7日 (木) 06時13分
山奥さん、再コメントありがとうございます。食の問題は何に価値を見出し、何を優先して生きるかと言ったその人の人生感にまでさかのぼる話なのかも知れません。健康あっての人生とか食の楽しみ、そういうことに無関心な人々が多くなってしまったように私も感じます。
食料自給率の低さはノー政と言われて久しい補助金バラマキの農業政策の失政だと思います。米価にしても農家の経営を揺るがしかねない政策が将来の見通しもなしに強行されています。これでは後継者が農業を見限ってしまいます。政党支持率向上の為でなく、国民の食料や安全確保、国土の保全の意味からももっとも農地は大切に活用されるべきと思います。
投稿: 雨辰 | 2008年2月 7日 (木) 07時08分
日本の警察庁が検出された農薬の不純物の含有の有無や密封された袋の内部からの検出状況から日本国内での混入を否定したことに対して中国外務省が不快感を表明したと言うことですが、このことに対して個人的に大いに不快感を感じました。
我国の地道な調査内容の公表に対して、中国側からは通り一遍のコメントしか発表されていません。日本国内混入説を主張するのであれば日本では流通し得ない種類の農薬を密封した包装内にどのようにしたら混入が可能なのかそこのところを明らかにしない限り、責任逃れと批難されても仕方ありませんし、他国の調査内容を批難する資格はありません。
要人の来訪があろうが無かろうが、犯罪の事実を消し去ることは出来ません。今回の事件は残留農薬事故の部分もありますが、本命はその農薬の混入の高濃度からして人命に危険を及ぼし無差別殺人を目論んだ、農薬混入事件なのです。
投稿: 雨辰 | 2008年2月21日 (木) 23時24分