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2008年2月11日 (月)

南大門焼失の何故

韓国の国宝第一号となった、1398年建立のソウル市最古の木造建築物である南大門が10日夜の不審火によって全焼してしまいました。驚いたことに夜間に警備員が常駐せず、火災報知器もスプリンクラーも設置されていなかったそうです。また市民の通報によって直ぐに消防車が派遣されましたが、有効な消火活動が行われず多くの市民が見守る中、炎上し続けた末に倒壊してしまいました。

我国でも1949年に失火によって法隆寺金堂壁画を、翌50年には三島由紀夫の作品のモチーフとなった金閣寺が放火によって失われ、文化財保護法が制定されて貴重な文化財に防火体制が敷かれるきっかけとなりました。第二次大戦末期の45年5月には米軍の空襲によって国宝の名古屋城の天守閣を初めとする多くの貴重な建造物を失ってもいます。

東アジアには木造の歴史的建造物や仏像が多数残されていますが、火災による損傷が懸念されています。隣国である韓国は当然これらの経緯を知って細心の配慮がなされているものと思いましたが、残念ながら我国の失敗の歴史から学んでいなかったようです。民族の誇りである貴重な文化財を失ってしまった韓国国民には大いに同情しますが、我国も今回の事件を他山の石として、より一層文化財の保護に当って欲しいものです。

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