国家100年の計
南極観測船しらせが南極から帰り、老朽化の為退役することになりました。南極観測船は初代の宗谷がほとんど砕氷能力がなく、厚い氷に閉じ込められて他国の砕氷艦の助けを必要としていたのが2代目のふじになって自由な航行が出来るようになり、3代目のしらせになって、砕氷能力も搭載量もアップして南極観測が命がけの冒険ではなく通常の観測として行えるようになりました。
ところがしらせの老朽化に対応しての新艦の建造に対して財務省が予算を認めませんでした。度重なる折衝で最終的に新艦の建造は認められましたが、この間の遅れにより今年度の観測隊は外国船をチャーターして行う羽目になってしまいました。予算のお目付け役として財務省が目を光らすのは判りますが、自然科学の探求だけでなく、環境調査の観点からも極地観測の重要性が増しています。国家財政の改善は当然のことですが、今まで営々と続けてきた南極観測を打ち切ることに国民的合意が得られるとは到底思えません。挙句建造の遅れから外国船をチャーターすれば要らぬ出費を強いられることとなってしまうのです。一体この事態を財務省は同説明するのでしょうか。
どんなに窮乏しても要るものはいるのです。良く予算折衝に関連して名前が出される○山さつき議員も財務省主計局出身ですが、その短視眼には感心できません。目先の予算編成も大切ですが、50年、100年先の日本を作り上げる為の先見の思想が必要です。今回のいきさつを見ると今の財務省にそのような熱い思いがあるのか疑問に思えてなりません。
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