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2008年4月17日 (木)

クラスター爆弾について

クラスター爆弾(親子爆弾: 投下されると100個以上の子爆弾に分かれ、広い範囲に撒かれて爆発する爆弾)について国際的な廃止論議が盛んです。対人地雷もそうでしたが、他国に進出した軍隊が使用することが多く、地元民が被害を被るケースが目だっています。そのような事情から廃絶運動が起こったのですが、実は専守防衛を国是とする日本の自衛隊も保有しています。クラスター爆弾は他国で使用する場合、事情を熟知する兵士が気をつければ自国民の被害はありません。そして自国の防衛目的で使用するケースはこれまであまり見られません。

では何故自衛隊は保有しているのでしょう。我国は地理的に細長く長い海岸線を持っており、他国の侵略を受けた場合防衛の為に極めて多くの兵員を必要とします。仮に侵略軍が上陸した場合、クラスター爆弾なら海岸線で効果的に敵を撃退してくれます。この機会を逃し、敵が内陸に散開してしまうと補足するのには多くの兵力を必要とします。人員が極めて限られている自衛隊にとって効果的に敵を撃破するのは必要不可分です。しかも使用するのは自国の領土であって他国に一切迷惑を及ぼすものではありません。

また、対人地雷でもそうでしたが、米国、中国、ロシア、北朝鮮等の武器輸出を是認している国々は禁止条約に加盟する動きを見せていません。

クラスター爆弾の弊害の理由として不発弾の多さが言われています。クラスター爆弾は投下後、先端に取り付けられたプロペラが落下と共に回転して安全装置を解除します。従って一定の条件内で使用しないと起爆装置が有効にならず不発弾となる訳です。巷間言われるところではイスラエル軍などはわざと有効射程未満で使用して不発弾化して、地雷と同様の効果を狙っていると言われています。このような使用法は厳しく批難されるべきです。また不発弾化するのを防止する為、子爆弾の信管を時限性のものにし、一定時間以後は爆発しないようにすることで、2次的被害の発生は防止出来るとの主張もあります。私見ですが、クラスター爆弾は保有を一律に禁止するのではなく、自国領土以外での使用を禁止するのが攻撃的兵器を保有しない我国にとって合理的だと考えますが、如何でしょうか。

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