桜月夜
東福寺の帰り道、例によって八坂の塔を見たくなったので途中で祇園を通りました。貧乏人にはとんと縁の無い世界ですが、ここを通る度に何故か心踊り、与謝野晶子の「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき」の歌が頭に浮かびます。何十年も前に中学の国語の教科書で習って以来なのに可笑しくてなりません。
何かの催しがあったのか和服の女性の一団が通り過ぎて行きました。前からは具合が悪いので後ろから撮らせていただきました。
八坂の塔は今まで家並みの間から見上げていましたが、ふと見上げると上に延びる道路がありました。そこまで上ると思惑通り屋根の上に優美な姿が見えました。ビルが無かった古にはもっと美しく見る事が出来たことでしょうね。
八坂神社から清水寺にかけては相変わらずの人ごみですが、こんな静かな通りも見られました。
白川沿いの桜並木に遅咲きの花が残っていました。満開の頃はさぞかし見事だったのではと思われます。
枝垂れ桜を撮ろうとしたら西に傾いた春の陽が白川の流れに光って見えました。桜と川は良く合います。
ハイシーズンにはライトアップで華やかに映し出されるのでしょうが、このような静かな風情の方が私は好きですね。
打ち水や盛塩、柔らかな灯火などドラマの中でしかお目にかかれない風景がありました。昼の顔から夜の顔へと祇園が静かに姿を変えようとしてしています。この日はこのまま暗くなる前に帰路に着いたので、桜月夜を見る事は出来ませんでした。
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