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2008年11月 1日 (土)

宇宙ビジネス花開くか

三菱重工が韓国の観測衛星「アリラン衛星3号」の打ち上げを受注することがほぼ決定したことが明らかになりました。2011年に予定されているHⅡ-Aロケットの衛星打ち上げに際してペイロードの余力を利用して格安で応札し、競合先のロシア・ドイツ連合に大きく差をつけたことが評価されたことによるものです。

我国の衛星打ち上げ用ロケットは能力・信頼性には定評がありますが、打ち上げ回数が少ない為にどうしてもコストが高く、外国企業との競争に勝てずに自国以外の衛星打ち上げを受注できませんでした。HⅡロケットの時代にはコスト削減が効を奏して受注に成功したこともありましたが、打ち上げに失敗しHⅡ-Aへ移行している間にキャンセルされ、衛星需要も減少してビジネス環境も厳しさを増していました。

「アリラン」衛星は観測衛星と呼ばれていますが、我国の情報収集衛星と同様事実上の偵察衛星で、その識別能力も近似していることからもしかしたら日韓の間に何らかの技術協力が存在するのかも知れません。しかし例えそうだとしても軍事機密の秘匿性から決して公表されることはないでしょう。韓国は独自の衛星打ち上げシステムの確立を目指していますが、我国のロケットの歴史を振り返ってみるとその道程はかなり厳しいものになる可能性があります。何かにつけて我国に対する反発心が強い韓国ですが、今回の判断は英断と言えるでしょう。この便乗打ち上げ方式は双方にとってメリットがあり、今後は他の国にも広がれば我国の打ち上げビジネスに大きく寄与することが期待されます。

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