北朝鮮がテポドン2型を発射するとして世間を騒がせているので戯言を考えてみました。脳内妄想なので内容についてのマジレスはご容赦願ます。
北朝鮮によるミサイル発射が来月4日から8日に強行される模様と伝えられています。ミサイルとも衛星打ち上げロケットとも言われていますがどちらも同じで分けて考えるのはナンセンスです。ロシアでは冷戦終結で不要になったICBMを民間の人工衛星打ち上げに使ったことがあります。防衛省は我が国上空に飛来する恐れ(多段式ロケットとしては技術的に初歩段階のため失敗の可能性強いと思われる)がある場合はイージス艦に搭載したSM3によって撃墜する方針を固めています。仮に今回北朝鮮が発表している通り、小型衛星の軌道投入に成功したとしても弾道ミサイルとして実戦配備するには更に数回の打ち上げをする必要があり、それこそその時は打ち上げ即撃墜の運びとなる筈です。
我が国は弾道ミサイル防衛用として米国から海上配備のSM3と地上配備のPAC3の2種類のミサイルを運用していますが、SM3は高度80Km以上、PAC3は高度20Kmとその迎撃できる範囲が限定されています。現在米国では最大射程200Km,迎撃高度が40Kmから150Kmの間で運用可能なTHAADが開発中ですが、PAC3の迎撃可能面積の少なさ(半径約20Km、飛来方向によっては撃墜できても落下物が地上に到達する可能性大)を考えると我が国も「この手の機種」を導入することが望まれます。THAAD程の射程があれば陸地到達以前での迎撃が可能で、落下物は海上に落下します。
THAADそのものではなく「この手の機種」と書いたのには訳があります。現在陸上自衛隊には中SAM(03式中距離地対空誘導弾)と呼ばれる最大射程約50Kmの地対空ミサイルがあります。元々は侵攻してくる航空機や巡航ミサイルに対処する目的で開発されたもので、シーカー(目標物を捕らえるセンサー)にはアクティブ・レーダーを使用しています。現在北朝鮮には通常弾頭で我が国を攻撃可能なノドンミサイル(ロシア製スカッドミサイルのコピー)が100基以上配備されていると伝えられていますし、中国は水中発射可能な核弾頭搭載の弾道ミサイルを搭載した潜水艦を配備しています。従来高高度を高空自衛隊が中低空を陸上自衛隊が受け持っていましたが、今日のように弾道ミサイルへの防御が必要になって来るとこの枠組みも再考する必要があると思われます。中SAMについてはより低コストな改良型を開発することになったようですが、この際ブースター付与等して射程を延長し、航空機・巡航ミサイル対処用と弾道ミサイル対処用の2本立てにすべきと考えます。
何故国産開発かと言うと、先にハワイ沖で海自がSM3の発射訓練を行いましたがシーカーの作動不良によって迎撃に失敗しました。原因については今のところ不明ですが、米国品についてはシステムは優れていますが、組立精度については間々問題があることとコスト削減です。我が国は訓練場の都合で国産品を含めた大がかりなミサイル発射訓練が出来ず、米国の訓練場を利用していますが、命中精度については米軍関係者が舌を巻く結果を出しているようです。PAC3やTHAADはシーカーに赤外線シーカーを採用していますが、我が国も米国と共同でSM3の発展型の開発を行っており、赤外シーカーや機体制御のサイドスラスターの技術を習得しています。また、開発費が上乗せになっているとは言え(米国は武器輸出に際してかなり高額な開発費を上乗せしてくる)SM3やPAC3のシステムはかなり高額で防衛予算に占める比率が高く、他の経費を圧迫する元となっています。国産化によりコストを下げ、命中精度を向上させる1石2鳥が狙えるという訳です。開発、配備費用は国内に落ちる訳で、当然景気対策として内需拡大にも貢献します。
但しここで大きな問題があります。それは開発には標的が必要となると言うことです。対空ミサイル程度であればターゲットドローン(訓練用無人標的機)で済みますが、ミサイル迎撃にはミサイルが必要になる訳ですが、我が国は弾道ミサイルを保有していません。そこでミサイル防衛用に新たに弾道ミサイルが必要になって来る訳です。実は核を搭載した弾道ミサイルの多くは複数の目標を攻撃出来るようにMIRV(多弾頭)化されており、迎撃した際には生存率を高める結果となっています。これに対しては日米共同開発でSM3の発展型、ブロックⅡBで対応する計画になっていますが、これにもMIRVの弾道ミサイルが必要となります。長距離ミサイル開発についてはかつて離島防衛用に開発プランがあり、公明党の長距離ミサイル保有反対意見で中止になった経緯がありますが、当然弾道ミサイルとなります。スカッドはドイツV2のコピーそのままの、燃料に猛毒ですが技術的に扱いやすい非対称ジメチルヒドラジンを使用した液体燃料ロケットです。我が国には非誘導時代に蓄積された固体燃料ロケットの技術があり、惑星に衛星を送る能力のある大型のM-Ⅴロケットを運用した実績もあるので、方針が決定されればその開発はいとも簡単と思われます。ミサイル群に対峙している我が国としては実践配備は別として、標的用に開発するのも相手の手の内を知る上で有用なことではないかと考えます。もちろん相手の出方によってはその先の展開もありと言うことで。
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