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ミサイル問答を笑う

かの国の将軍様はよほど火遊びがお好きと見えて、打ち上げ失敗の可能性のあるミサイル、テポドン2号の発射を強行しました。ノドンやテポドンに使用している液体燃料ロケットは常温の酸化剤とこちらも常温の非対称ジメチルヒドラジンを燃料に使用するもはや古典的とも言える難易度の低い、枯れた技術のエンジンですが、だからと言って100%正常に機能する保証などどこにもありません。1段目は推力を確保するためにクラスター化(ロケットを束にすること)しているようですが、すべてのエンジンが正常に機能しなければ推力が確保出来なかったり、姿勢制御に支障が出ます。現に今回の「衛星打ち上げ」では推力不足から高度も速度も目標数値に達せず、しかも3段目の着火に失敗して軌道投入どころではありませんでした。(米国の発表で3段目は2段目のすぐ近くに落ちたとありましたので着火失敗と推測しましたが、3段目の分離が2段目が下降し始めてから行われたとの報道があったことから着火の可能性も排除出来ないと考えますので訂正します。しかし姿勢制御も出来ないようでは衛星打ち上げロケットと名乗る資格はありません。3段目が正常に切り離しが出来なかった時点で指令破壊されるべきでした。)

このような不完全極まりない代物を何の断りもなく勝手に他国の領土上空を通過するように打ち上げることは国家の主権、人命軽視も甚だしいものと言わざるを得ません。かの国には人命尊重などと言う概念は存在しないのかもしれませんが、パレスチナやアラブに対して強硬姿勢をとり続けるイスラエルでさえ、ロケットブースターの落下を恐れて、わざわざ打ち上げに不利な西向けに発射しているのです。かの国の後見役を自任しているその西側の国はたいそう打ち上げに関して寛容なようなので、次回からはイスラエルに倣って西向けに発射するよう手を挙げてほしいものです。

今回のミサイルの発射に対して我が国でも未だにミサイルだ、いやロケットだと禅問答のような論争が繰り広げられていますが、前にも述べたように全くナンセンスです。人類初の人工衛星は1957年にソ連が打ち上げたスプートニク1号ですが、これはR-7と呼ばれた弾道ミサイルによって打ち上げられたものです。つまり同じロケットであってもその最終段に爆弾を積むか、人工衛星を積むかの違いだけなのです。但し、今のかの国にテポドン2号のペイロードに見合う重量の人工衛星を作れる能力も必要性もなく、飛翔体などと苦し紛れの呼び方などしなくても弾道ミサイル以外の何物でもありません。

もちろん軍事的に見れば発射までに燃料注入の時間を要する液体エンジンは即応性に欠ける為、最近のミサイルの主流は固体燃料となって過去のものとなりつつありますが、数千Kmの彼方に核爆弾を打ち込むことに変わりはありません。かの国は衛星の打ち上げは将来に向けた宇宙開発の権利と強弁していますが、自国民が食糧不足で餓死する状況で、他国からの食糧援助が急務となっている状況でそんなことが許されるはずもありません。直ちにミサイル開発を中止して困窮者を救済すべきですが、そんな簡単な道理も通りそうにないのが残念です。

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コメント

本日の中日新聞によれば米国は3段目の切り離しを確認している模様です。しかし分離は2段目が下降し始めてから行われており、仮に着火していても海面に向けて突入したものと推定されますが、着火そのものは確認されていないとされています。ハワイからのXバンドレーダーの解析が出来れば加速度の変化から着火の有無について確認可能と思われ、既にその結果は判明しているように思います。

投稿: 雨辰 | 2009年4月10日 (金) 07時40分

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