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宇宙ビジネス戦争激戦中

インドが合成開口レーダーを持つ偵察衛星「RISAT-2」を国産ロケットPSLV-c12を使って打ち上げました。インドは宇宙開発に積極的で既に月探査衛星の打ち上げにも成功していますが、面白いのは「RISAT-2」が自国製ではなくイスラエル製であるということです。観測衛星レベルであれば自国開発が可能なのでしょうが、偵察用途となると米国と密接な関係にあるイスラエルに一日の長があるものでしょうが、購入額は2億ドルと言われ決して安い買い物ではありません。

実はインドとイスラエルは協力関係にあり、2008年1月にはイスラエルの偵察衛星をインドが打ち上げています。インドはカシミール紛争などで中国と対立関係にありますが、その中国にイスラエルは最新型の戦闘機の技術や早期警戒機のシステムを売却する関係にあります。敵の敵は味方と言われますが、この場合敵の味方でも味方と言ったところでしょうか。

一方、テポドンの発射で世界を騒がせている北朝鮮の隣国である韓国は軍事バランスの維持を重視した米国の締め付けによってこれまで大型ロケットの開発が厳しく制限されてきました。このため北朝鮮の軍事情報を収集するための偵察衛星KOMPSAT-2(2006年打ち上げ)もロシアに打ち上げを依頼せざるを得ませんでした。そして韓国もまた搭載用のカメラはイスラエルから購入したもので、価格は70億円と言われています。

韓国は経済の発展に伴い、衛星を利用した宇宙ビジネスへの参入や日本や中国への対抗心から宇宙開発に乗り出す方針を打ち出し、この7月には初めて自国から3段式ロケットKSLV-1を使って人工衛星(重量約150Kg)の打ち上げを予定しています。しかし現在の技術力の遅れはいかんともしがたく、メインエンジンとなる1段目は2億ドル(196億円)出してロシアから購入しなければなりません。この打ち上げに要する費用は総額で約330億円とも言われています。韓国は次期偵察衛星KOMPSAT-3(重量約800Kg)を日本の三菱重工に委託しますが、この打ち上げ費用は日本の衛星との相乗りとなるため、格安価格で約30億円と言われていますから、これと比較すると随分と割高なミッションと言えます。しかもロケット技術はミサイルへの転用が可能なことや将来的には競争相手になりかねない韓国への技術移転を嫌われて次のステップとなるKSLV-2への供給は断られてしまっています。こうなるとロケット開発としては意味のある打ち上げになるのかはなはだ疑問となりますが、国策として動き出した以上、今さら後戻りは出来ないと言ったところでしょうか。

宇宙開発と言えば夢やロマンの世界と思いがちですが、現実には札束が飛び交う戦場さながらのビジネスの場であるようです。

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