ガソリンの行方
衆議院は解散されましたが、総選挙の公示はされていないのでちょっと微妙な政治状況となっていますが、自公VS民主の過半数を賭けた綱引きの行方が注目されます。ところで民主党が与党となればガソリンの暫定税率が廃止されますが、現在の不況下においては景気対策として有効ではないかと思いますが、如何でしょうか。
そんな空気を察知した訳でもないのでしょうが、環境省がエタノール混合ガソリンの混合率10%のE10に向けての安全基準の作成に着手したようです。我が国では法律によってE3(3%)以下に規制されていますが、エタノール混合ガソリンの先進国であるブラジルはE20(20%)が広汎に使用され、また米国ではニューヨクやコネチカット州ではE10が義務付けられています。
我が国でもかつて化石燃料由来の高メタノール混合ガソリンが、安価や低公害性を売りものに販売されましたが、安全性を理由に規制され市場から撤退を余儀なくされています。もちろん技術的な問題も皆無ではなかったのでしょうが、実際に使用して不具合を感じなかった私は多分に政治的な理由によるものではなかったかと思っています。
その後の原油の高騰や産油国の石油戦略の変化に対応する為、燃料の多角化はこれからますます重要になってきます。その意味では遅ればせながらではありますが、民生の安定に役立つものと期待されます。但し、一時期バイオ燃料がもてはやされ、穀物価格の上昇を引き起こして発展途上国の食糧難を招いてしまいましたが、食用穀物によらないエタノールの供給が求められます。
最近では休耕田を利用して多収穫米を栽培し、更には稲藁も原料にしてエタノールを量産する技術も開発されており、他の作物でも市場性のない規格外のものを使用する方法が確立しつつあります。今後ハイブリット車等の低燃費車が増えていけば輸送用燃料に使用するガソリンを減らすことが出来ますが、E10を使用すればそこから更に10%の節減が可能です。又、休耕田を利用したエタノール用の米作りは農家の収入増に役立つばかりか、水田の調整池機能や地表面の高温化対策など環境面でも効果をもたらすものと大いに期待されます。
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