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一票の重さについて

’07年7月の参院選挙における一票の格差が最大で4.86倍あるとして、住民が起こした違憲なので選挙無効の裁判に対して30日、最高裁で合憲の判決がありました。最初ネットのニュースで読んだ時はまたしても司法の政治追従かと思いましたが、内容をよく読むと思ったより踏み込んだ内容でした。

以前の判例では6.59倍で違憲、5倍前後では合憲とされてきました。どうして5倍以下なら許されのか、理由が全く判りませんが、一票の重さが選挙区によって1/5になってしまうことが許されていいはずがありません。最高裁大法廷は多数意見として「投票価値の平等の観点からは、大きな不平等がある状態だった」と述べていますが、その上でどうして合憲としてしまうのかが判りません。再選挙等の混乱を避ける、いわゆる大人の対応の結果でしょうか。少数派の裁判官の一人は「次々回の参院選までに見直しがなければ主文での違憲とする判決もあり得る」と述べています。

言うまでもなく選挙制度や定数是正は国会の責務ですが、過去は政治はあまりにこの問題に対して無頓着で無責任でした。議席を確保することには本当に熱心ですが、違憲判決が出ても選挙は有効とされたことを良いことに相変わらず重い腰を上げようとしません。しかし、仮にも民主主義を標榜するのであれば、その根幹となる選挙制度の平等性が確保されなければ何の意味も成しません。少なくとも他の選挙区の当選者の票を2倍以上上回る得票がありながら落選してしまうような選挙に果たして正当性があるのでしょうか?諸外国でも一票の格差は1.5倍または2倍以内としている所が多いようです。米国の上院が州毎の割り振りで、有権者数を反映していないことを引き合いに出す人がいますが、あちらは州の連合国家で我が国とは事情が違います。人口変動がありますから、多少のことは止むを得ないとしても恒常的に2倍を超える格差は好ましくないと思います。

現在の県を最小の単位とした区割りでは格差の是正には限界があり、将来における議員数の削減なども考慮すれば県を超えたブロック単位での区割りも検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。来年の参院選は無理としても今後2年間以降に行う衆議院選、3年後の参院選までには抜本的な改正を目指すべきです。もし、国会がこのままの状態を座視し続けるのであれば、司法は遠慮なく選挙無効の判決を出すべきで、有権者もすべての選挙区で投票をボイコットすべきだと思います。

それにしてもこの判決について政党にコメントを求めないマスコミも同罪だと思いますが、何のコメントも発表しない各政党は厚顔無恥としか言い様がありません。

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