« 愚の骨頂の事業仕分け | トップページ | 財務省が目の敵にする航空宇宙開発費 »

国家百年の志がない仕分け人

またまたこの話題で申し訳ありませんが、もう少しお付き合い下さい。今日、本田技研はトヨタからも一目置かれる世界有数のカーメーカーですが、2輪から4輪に進出する時には当時の通産省から「ビッグ3にかなう訳がない」、「国内の先発メーカーに任せておけばよい」と援助どころか門前払いの扱いを受けました。

この図式、何かに似ていませんか?そうです、科学技術開発に向けられた事業仕分け人の論理にそっくりです。あの時本田宗一郎氏に反骨精神がなかったら、現在の我が国の自動車業界の発展はなく、今よりもずっと小さなままだったかも知れません。

     ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

>下記引用

【事業仕分け】最先端科学技術が

次々削減 「科学技術立国」どこへ

11月17日22時17分配信 産経新聞

 行政刷新会議による事業仕分けの第1ラウンドでは、次世代スーパーコンピューターやロケット開発などの最先端科学技術を「無駄」と認定するケースが続いた。仕分け作業はほぼ財政論に終始し、科学技術立国として、種をまき育てるという議論に踏み込むことはほとんどなかった。
 
 「ロケット開発自体、ビジネスになる見通しが立っていないのに税金」(概算要求額58億円)を使うのはどうか」

 統括役である民主党の枝野幸男元政調会長がこう切り出すと、「米国、欧州、中国が成功したら日本のロケットは海外に売れなくなる」と、ビジネスとして将来性がないとする意見が相次ぎ、GXロケット計画は「廃止」、液化天然ガス(LNG)を使った新型エンジン開発も来年度予算計上が見送られた。

 LNGエンジンは長期間の運用が可能で、軌道間輸送機や惑星探査機に適する。世界でも日本が最先端を走り、「中国の宇宙開発をにらみ、優位性を確保することが日本の技術安全保障になる」(防衛省筋)との擁護論もある。しかし、仕分け作業でこうした観点の議論はなかった。

 13日のスパコンに関する仕分け作業でも「世界一を目指す理由は何か。2位では駄目か」(蓮舫参院議員)との発言が優位となり、開発事業費を「事実上の凍結」。

 文部科学省の担当者は「中止すれば日本は最先端コンピューターをつくる技術を失い、1、2年の遅れが致命傷になる。国際競争は一度下りたら復帰することは困難だ」と危機感をあらわにする。スパコン開発は科学研究やジェットエンジン開発などで必須のコンピューター・シミュレーションの発達に影響するため、米国は不況下でも開発予算を増額、中国も最高性能の国産スパコン開発を国家戦略に位置付けているという
    ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
どこの国でも成長戦略を描いて基礎となる科学技術を育成するものです。その中には実を結ばないものがあるかも知れません。しかしそれは決して無駄なものではありません。適切ではないかも知れませんがビデオではベータとVHSが覇を争いました。結果はVHSが世界標準となりましたが、ソニーは8ミリやDVDで巻き返しました。DVDでもHDとBDが競い合い、結果としてBDが世界標準となりました。この過程で多くの技術が生まれましたが、これらは次の製品に反映されて決して無駄になることはありません。
しかし、もしソニーがVHSに敗れて事業から撤退していたらどうだったでしょうか?VHSやテープの時代が長く続き、ディスク方式が今ほど普及していなかったことは間違いありません。
技術の進歩を奪う者、それはいつの日でも未来への可能性を見ようとしない財務を最優先する者のことなかれ主義に違いありません。
追記
財務省の主計官が宇宙航空研究開発機構の人工衛星打ち上げについて「水星探査が国民に利益をもたらすのか」
国家の恥ですね。やっとLNGエンジンを完成させたGXのエンジニアが可哀そうです。
 

|

« 愚の骨頂の事業仕分け | トップページ | 財務省が目の敵にする航空宇宙開発費 »

コメント

その事業が無駄なのか?
その事業を運営する組織が無駄なのか?

そこんところをきちんと線引してもらいたい。
単なる天下り論議だけで事業そのものまで廃止しようとする、蓮呆(当て字ですよ)議員の態度は誠に無礼で、鼻持ちなりません。

毛利衛氏がこども未来館運営予算について仕分けチームに反論していましたが、実に胸がス~としました。
こどもに夢を与えることにの事業効果は測り知れないが、その事業の受け皿団体が複数あり、館長の毛利氏に人事権すら無いのが問題と指摘していました。

自民も民主も所詮議員は同じ穴のむじななんて、国民から呆れられないように、民主党員には再度襟を正して国会に臨んでもらいたいものです。(脱税首相、機密費使いまくり官房長官、ゼネコンを束ねる影のドン、リップサービスばかりの金魚のフン閣僚...日本の恥ですわ)

投稿: 山奥 | 2009年11月19日 (木) 06時15分

こども未来館もとい、日本科学未来館でした。訂正します。

投稿: 山奥 | 2009年11月19日 (木) 06時17分

山奥さん、コメントありがとうございます。21年度予算は自民党政権下で決定されましたが、査定には財務省が関わっていたのに、今になって否定する側に立って声高に詰問しているのはどう見てもおかしな話です。
科学技術開発は基礎的な技術であって、明日にも成果を生むものではありませんが、全てに投資効果を求めるのは金融屋の近視眼的な視点です。三菱重工がやっと韓国の衛星打ち上げを受注出来ましたが、それはペンシルロケット以来の長い時間をかけた技術蓄積があったからこそです。日本のロケットや航空機の開発は欧米の1/3程度の予算で行われており、そのために本来しっかり行う必要がある基礎実験も十分行えず、後日の躓きに結び付くこともあるようです。
方向性があいまいな計画を見直すことは必要ですが、国家としてなすべきことにはむしろ集中的な予算配分が必要ではないでしょうか。

投稿: 雨辰 | 2009年11月19日 (木) 07時14分

ため息しか出てきませんが。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000027-san-bus_all

凍結スパコン 技術開発の必需品 失えば国際競争“必敗”
11月19日7時56分配信 産経新聞

 次世代スーパーコンピューターの開発予算が政府の行政刷新会議の事業仕分けで「事実上の凍結」とされたことに対し、研究者などから「日本が国際競争力を失うきっかけになる」と危惧(きぐ)する声が高まっている。スパコン開発で得られる技術が世界の半導体産業を牽引(けんいん)することに加え、最先端の研究や技術開発にとっては、シミュレーションを行うスパコンの性能が成果に直結するからだ。(鵜野光博)

                   ◇

 ◆現状は世界31位

 今月16日に発表された世界のスパコン性能ランキングによると、トップは米クレイ社のスパコンで、トップ10のうち8つを米が独占。中国は過去最高の5位、韓国も14位につけた。日本は地球規模の気候変動の解明などに利用されている「地球シミュレータ」(海洋研究開発機構)の31位が最高だった。

 日本は2004(平成16)年に地球シミュレータがトップから転落して以来、他国に追い抜かれ続けている。仕分けの対象になった開発中の次世代スパコンの性能は、現在の世界トップのスパコンの5・7倍となる10ペタフロップス(毎秒1京回の計算が可能)が目標だった。ちなみに地球シミュレータは0・12ペタフロップス。

 ◆「第3の科学」

 次世代スパコン開発計画にかかわった元総合科学技術会議議員の柘植綾夫芝浦工業大学長は「科学技術の国際競争で、スパコンは『持っていないと必ず負ける技術』だ」と指摘する。

 「生命科学でのゲノム解析でも、原子力など科学技術を社会に生かすイノベーションでも膨大な計算が必要。米国など他国から買おうとしても、国家の基幹技術であるスパコンは2番手の物しか売ってくれない」

 スパコンによる高度なシミュレーションは「実験」「理論」に続く「第3の科学」と呼ばれ、企業によるジェットエンジンの開発などでも大幅なコスト削減につながるという。

 ◆日本「首の皮一枚」

 文部科学省によると、世界のスパコンのトップ500台のうち富士通・NEC・日立の3社が占める割合は15年前は2割を超えたが昨年11月には1・4%に低下。日本は主要国での半導体出荷額でも1980年代は5割を超えトップだったが、2005年には25%程度で米国に次ぎ2位だ。

 同省によると、米国のスパコン関連の政府予算は05年度の967億円から09年度の1600億円まで右肩上がり。中国でも最高性能の国産スパコン開発を国家戦略と位置づけている。

 「日本のスパコン技術は首の皮一枚でつながっている。それを太くするのが次世代スパコン開発だった」と文科省。柘植氏は「科学技術革新は、いったん投資をやめれば人材も技術も霧散し、再開がきかない」と警鐘を鳴らしている。

投稿: 雨辰 | 2009年11月19日 (木) 13時35分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/171584/46793786

この記事へのトラックバック一覧です: 国家百年の志がない仕分け人:

« 愚の骨頂の事業仕分け | トップページ | 財務省が目の敵にする航空宇宙開発費 »