イムジン河ふたたび
加藤和彦氏の追悼番組として今日、NHKのBSで2002年収録のフォーク・クルセダーズの新結成記念解散コンサートが放送されました。加藤和彦、北山修と応援メンバー坂崎幸之助により懐かしいフォークルの曲の数々を久し振りに「オリジナル」で聴くことが出来ました。中でもイムジン河はオリジナルバージョンの他にハングルへ逆訳詞したものと新たに作った歌詞を加えたイムジン河~春~バージョンが演奏されました。加藤氏、北山氏ともこの曲に対する思いは余人には到底判らない程深く、複雑なものがあるはずなのに、両氏とも実に淡々と歌っている姿に思わず涙してしまいましたが、これほど数奇な運命をたどった曲も珍しいのではないでしょうか。
イムジン河は若者による日朝の融和、南北朝鮮の平和的統一を願った曲だったのですが、政治状況に翻弄され、多くの人に望まれながら作詞の松山猛氏の純粋な思いは中々世の中に認められませんでした。2004年制作の井筒和幸監督の映画バッチギによって改めて日の目を見ることになりましたが、おそらくこのコンサートが何らかのトリガーになったのではないかと思います。
加藤氏が鬼籍に入ってしまった今、二度とあの歌声をステージで聴くことは出来ません。しかし、いつかイムジン河が自由に行き来出来る河になった時、千の風になった加藤氏が歌うイムジン河をきっと耳にすることが出来るのではないかと思っています。
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