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財務省が目の敵にする航空宇宙開発費

安価で安全なLNGを燃料とする将来的ロケットのGXロケットが民主党の事業仕分けで不要と判定されました。重要予測が不明確との理由によるものですが、仕分け人には味噌汁のシャワーを浴びてから出直してもらいたいものです。

現在世界の商業衛星の多くはアリアンスペース社によって打ち上げられていますが、主力ロケットのアリアン5の開発費は1兆500億円もかかっており、仮に100機を打ち上げても1機当たり約100億円も上乗せされる計算です。ちなみに我が国のH-Ⅱ、H-ⅡAの開発費は合計3900億しかかけられていません。(H-ⅡAのみでは1200億円)

ESA(欧州宇宙機関)がこのような巨費を投じてまでアリアンロケットを開発するのは自前の宇宙技術を持つことにそれなりに意味があるからに他なりません。気象衛星ひまわり6号は打ち上げ失敗によって再度米国スペースシステムズ・ロラール社に発注されましたが、同社の倒産によって打ち上げが大幅に遅れることになり、観測体制に支障をきたしたことを忘れるべきではありません。他国と連携することは大切ですが、他国に頼ることによって失われるものが沢山あることも知っておくべきです。また商業衛星は製造実績を多く持つ米国が優位性を保ってきましたが独自開発を続けた結果、衛星バス(標準プラットフォーム)DS2000の開発によって価格的な競争力を回復できたことも大きな成果です。

最近の航空機では開発が思いのほか難航することが当たり前のようになってしまいましたが、米国で開発中の哨戒機P-3Cの後継機も大変に難航しており、当初予算150億ドル(1兆3500億円)が大幅に膨れ上がっています。これに対して我が国は独自に次期哨戒機としてP-X(P-1)を開発中ですが、開発費は3450億円とP-8の1/4以下で済んでいます。

財務省は何でも海外からの調達が安上がりと考えているようですが、調達コストには開発コストが上乗せされますので、出資国以外は割高になるのが当たり前ですし、何より国内に金は落ちません。我が国では苦しい国家予算を反映して、これまでも低予算で十分過ぎる成果を挙げてきたのです。目先の数字に囚われずに、ライフサイクルコストや技術の波及に依って得られる将来的な経済効果まで考慮されてしかるべきではないでしょうか。

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コメント

nosmoking 事業仕分けは無くてはならないものであるが、その効果は仕分け人の能力に依存している。
次世代スーパーコンピューターやロケットなどの科学技術関連予算が事業仕分け(税金10億円投入)で見送られるようでは、民主党政権には夢も希望もない。
民主党の蓮舫や枝野のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。
民主党には成長戦略が無く、成長のための投資と無駄を区別する能力も無いことが見えてきた。
蓮舫が世界一になる必要あるのかと言ったスパコンの現在の性能順位は、1~3位は米国、4位はドイツ、5位は中国、6~10位は米国そして日本は30位以下。

投稿: 夢も希望も無い民主党 | 2009年11月19日 (木) 10時45分

夢も希望も無い民主党さん、コメントありがとうございます。出来れば前々回のスレと違うコメントをいただけるとありがたいのですが・・・・。

投稿: 雨辰 | 2009年11月19日 (木) 10時57分

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