旅の拾いもの
名物に旨いものなしとは良く言われますが、旅先で思いがけず旨いものに巡り合うのはうれしいものです。逆に評判を聞いて訪ねてみたらトンデモない店だったということも無きにしもあらずで、初めての店で食事をする時は味を楽しむ前に変な緊張感を味わったりしてしまいます。
先日、京都・奈良を巡った折に室生寺を詣でました。ここもアクセスの問題でなかなか訪れることができなかった所です。以前台風の被害で国宝の五重の塔が破損した時は、未訪問 を後悔したものですが、その後もつい後回しにしてやっと今回訪れることができました。
太鼓橋から表門、本坊。女人高野 室生寺の石柱が目を引きました。
鎧坂を上がった所にある国宝の金堂(平安初期)。国宝、重文の仏像が多数安置されています。
見事に修復されて、どこが破損箇所か判らなかった国宝の五重の塔。
奥の院に続く石段。女人高野の名に恥じない雰囲気でした。
太鼓橋の手前にある旅館中村屋の定食(5品、1600円)。オフシーズンなので日曜なのに閉まったままの店もあり食事場所を決めるのに迷いました。結局くつろげそうなのが決め手でここに入ったのですがビンゴでした。今までずい分食べ歩きをしましたが、外れの品が一つもないのに驚きました。普通この手の物は手間を省くために、作り置きをしたり、出来合いを使ったりするものですが、全てに丁寧な仕事がしてあり流石老舗旅館と感心しました。食事をするためだけに訪れても損はないと思います。
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コメント
しっとりとした雰囲気にゆく年の物寂しさがオーバーラップしますね。
今回の写真は、なんか建物の大きさが感じられず、一種模型の様な雰囲気を感じました。
構図やカメラ、レンズの影響ですか?
(ナマ言ってすみません)
価格も老舗!って感じの定食ですね。
質より量の小市民には、食のわびさびより口寂しさを感じちゃいます(爆)。
投稿: 山奥 | 2009年12月28日 (月) 07時02分
山奥さん、コメントありがとうございます。
>今回の写真は、なんか建物の大きさが感じられず、一種模型の様な雰囲気を感じました。
お目が高い!撮影機材はいつもと同じオリンパスのE-420と14-42mm(35ミリ換算28-84mm)です。室生寺は桓武天皇ゆかりの創建ですが、金堂や五重の塔は小ぶりで五重の塔は国内最小の16mしかありません。興福寺のそれが51mもありますから可愛らしく感じました。金堂も田舎の神社に毛が生えた程度の大きさで威圧感は全くなく、よくぞ今まで風雪を耐えてきたと愛しくさえ思いました。
思いがけない定食は、見た目はそれほどでもありませんが実際に箸を付けると結構ボリュームがあり、健啖家の私でも街の食堂のハンバーク定食位の満足感が得られました。
献立は上の左から高野豆腐と野菜の炊き合わせ(こんなに上手く戻した高野豆腐は初めてでした)、山芋のすりおろし(粘りがものすごくあります)、山菜煮物、野菜の酢の物と凍り柿、白和えで椀物は三輪そうめんを使った温麺です。
投稿: 雨辰 | 2009年12月28日 (月) 09時42分
こんばんは。
画像にある料理、お値段はやや高めですがzeroはなんだか惹かれました。
率直に食べてみたいです。
投稿: zero | 2009年12月29日 (火) 19時27分
ZEROさん、コメントありがとうございます。前夜に嵐山で結構な値段を散々目にした後だったので、免疫がついてそんなに抵抗なく決めてしまいました。この上に8品のものもありましたが、これで十分だと思います。
旅館だからと言ってしまえばそれまでかも知れませんが、全ての品に手抜きがないことに本当に感心しました。
もし室生寺に行かれる機会がありましたら、ここに立ち寄られることをお勧めします。
投稿: 雨辰 | 2009年12月29日 (火) 23時04分