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待ち人来る

防衛省と川崎重工が開発を進めている次期輸送機(C-X)は、ロールアウト後に機体強度の問題が発覚して2年半も初飛行が遅延していましたが、この度複数のメディアが今月末までに初飛行を予定していることを伝え、やっと最終局面を迎えているようです。同じように開発が難航して初飛行が大幅に遅延していた欧州各国による国際共同開発のA400M輸送機やB787旅客機が昨年末に相次いで初飛行を終えていただけに、C-Xもやっとここまで漕ぎつけたかと感慨もひとしおです。

C-Xについてはそのスペックについて、あれこれ批判めいた発言をする人がいますが、C-130Hを大幅に上回る最大で37.6トンのペイロードが可能で、26トンのペイロードで6500Kmの航続距離を持ちながらC-1並みの距離で離発着出来き、マッハ0.8の旅客機並みの高速飛行が可能で機体は他に類を認められません。自衛隊の装備については、武器輸出三原則の偏狭な運用によって輸出が認められていませんので、どうしても単価が高くなる傾向がありますが、我が国の南北に長く、奥行きの無い国土の特殊性からはどうしても独自の運用形態を満たすものが必要になります。口の悪い向きはこれをガラパゴス化と称しますが、限られた資源を有効に活用する為には国土や国策に特化した装備が欠かせません。

現行のC-1輸送機は、当時の社会党の圧力に迎合して意図的に航続距離を抑えたため最大積載量8トンのペイロード時に1500Kmしか飛行できず、国際貢献が任務に加えられて能力不足が顕著となり、導入の対抗馬であったC-130Hを追加配備せざるを得ない羽目になりました。この反省を踏まえて高積載量、高速性、長航続距離、更に世界最高水準のC-1並みのSTOL性を満たすC-Xの開発がスタートしたわけですが、高速性確保のための機体形状と高積載量のための床強度の確保との両立は思いの他厳しくてここまで難航したわけです。

A400Mは試験飛行は終えたものの、機体強度確保のため当初設定より機体重量が1812トンも増加してしまい、37トンのペイロードを確保出来る目途が立っていません。この37トンのペイロードはドイツのプーマ歩兵戦闘車の空輸を前提にしたものなので、これを達成出来なければ、開発の意味が無くなってしまいます。同じように強度不足が課題であったC-Xが、どの程度重量増を抑えることが出来たのか現時点では不明ですが、伝えられる情報ではA400Mほどの惨状ではないようなので、試験飛行実施後の情報公開が楽しみです。

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写真は最大ペイロード77.5トンと大型戦車の積載も可能な米空軍のC-17輸送機で、サンダーバーズが来日した時の支援機です。車輪当たりの接地重量が桁外れに重いので、着陸には特別な舗装の滑走路が必要になりますが、浜松基地はAWACSのE-767を運用しているので着陸に支障はありません。

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