津波騒動
昨日発生した南米チリの大地震により、太平洋側の各地に大津波警報や津波警報が発令され、多くの人が避難する騒ぎとなりました。交通網も各地で鉄道や高速道路が通行止めとなり、休日の人出に大きな影響が出ました。幸い我が国では、これまでに人的被害は報告されておらず、これらの予防的措置が功を奏した形となりました。
我が国では、50年前に同じくチリで発生した大地震による津波によって、多くの人命が失われました。この災害を教訓に、沿岸部の防災施設を充実させたり、津波被害の恐ろしさをPRし、津波発生時の広報体制を構築する努力を続けてきましたが、今回はこれらのこうした活動が実を結んだ訳です。
今回目立った被害がなかったことで、行き過ぎた予防体制として批判が出る可能性がありますが、私はこれらの予防措置を取った当局の決断を高く評価したいと思います。「災害は忘れた頃にやって来る」とは明治の寺田寅彦の名言ですが、この言葉は平成の今日でも真理(心理)を突いていると思います。例え百回空振りして徒労を繰り返したとしても、最悪を考えて1回の惨事を防ぐのが、災害の歴史を繰り返して来た我が国の取るべき道ではないでしょうか。今回目立った反発もなく、各地で行政当局の指示に従って冷静に避難出来たことは大いに賞賛されるべきと考えます。
チリの被害は情報が集まるにつれて更に広がりを見せるものと思われますが、早急に物心両面の援助の手を差し伸べるべきではないでしょうか。
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コメント
各TV局では一日中津波情報を流し、自治体の対応もピリピリしたものを感じ、今回の大地震の威力を目の当たりにした一日でした。
朝のニュース報道を受け、念のため出勤しましたが、幸い瀬戸内海沿岸部は津波注意報であったため、平常時の生活に戻りました。
50年前の惨事を知る由もありませんが、最近の国内での有感地震の連発も気になるところです。「備えあれば憂いなし」の例えの通り、己の生活面での備えを再確認する必要もありますね。
投稿: 山奥 | 2010年3月 1日 (月) 07時24分
山奥さん、コメントありがとうございます。50年前の地震では全く予想もしない内に不意打ちを食らって、大きな被害を受けました。気象庁も当初は様子見でしたが、最悪3mの波高が懸念されたので、大津波警報の発令に踏み切ったようです。
避難指示、勧告は住民に大きな負担となりますが、スマトラ大地震の際の津波被害を思い起こせば、とりあえず避難して様子を見るのが正解だったと思います。今回も港付近の冠水の様子を見るともし戸外に歩行者がいればあわやと言うことがあったかも知れません。
ただ、今回も指示、勧告を無視した人が多数いたようで、今後空振りが続いた場合その人数が増えることが心配です。気象庁には海上に津波センサーを設置したり、航空機による観測を取り入れるなどして津波予報の精度の向上を期待したいところです。
投稿: 雨辰 | 2010年3月 1日 (月) 09時53分