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2010年3月 5日 (金)

道迷い遭難について、その2

跡を絶たない山での道迷いの遭難事故について再度取り上げます。と言うのも私にとっても決して他人ごとではなく、友人を道迷い遭難で亡くした悲しい思い出があるからです。

山といってもその目的は本格的な登山からハイキング、山菜やキノコ採りまで様々です。少し古い資料ですが、警察庁の統計によれば平成19年における遭難者数は全国で1808人でした。更に古い資料ですが、過去10年間の平均が1666人でしたから、ほぼ横ばいで推移しているようです。
そのうち道迷いの占める割合ですが、どの統計でも遭難原因の一番となっており、19年では628人、34.7%でした。2番目の滑落によるものが312人、17.3%ですから倍近い数字です。

では何故このような事故が起きるかと言えば、山では古くて新しい問題だからです。通常山に登る時、とりあえず上に向かって登って行けば、いつか頂上に達しますので、この過程で迷うことはあまりありません。では下りはどうでしょうか。頂上から下るコースは登りと違ってありとあらゆる方向に取ることが出来るので、誤った方向に下ってしまうことが起き易いのです。山によっては頂上からのルートが何本もあって、同じルートを戻るつもりでもルートを間違えてしまうことさえ起ります。また、山道はまっすぐではないので、何度となく左右に方向を変えますが、いつしか進行方向が違っていることが良く起きます。ある時点でコンパスで方向を確かめていても、次の時点の方向が正しい軸線上にくることはまずありません。したがって、時々地図とコンパス、周囲の景色を見比べて現在位置を確認する訳です。

ところが、現実にはコンパスや地図を持たずに入山し、道に迷ってから慌てて行動して事故につながってしまうのです。また、地図やコンパスを持っていても雪山などで視界が遮られると現在位置を確認することが難しく、どちらに行っていいか分からなくなります。こんな時頼りになるのがGPSです。ベテランの登山者の中には情報や器具に頼り過ぎるとの批判もありますが、安全には変えられません。もしあまり道具に頼りたくないと言うのであれば、携行だけはしておいて、まさかの時まで使わずに済ます方法もあります。

最近ではカーナビや携帯の機能でGPSも当たり前の道具になってきていますが、それでも実際に山で使っている人をあまり見かけないので、参考までに実際の使用画面を紹介します。私の持っているのはGARMIN社の入門機で、3万円以下で手に入るものですが、以前のものと比べるとスイッチを入れてからの立ち上がりの時間も随分と短くなったのと、感度が向上し、うっそうとした樹林帯でも受信が途切れることがありません。(以前使用していた同じGARMIN社のGeko201では葉の茂っている樹林帯で受信不能が良く発生しました)

Photo_4 

入力の画面です。通常はパソコン上の地図ソフトから地理データーを転送するのですが、簡易な方法としては本体を使って登山口をその場で地点登録すれば、頂上からその地点に向かって下れるようにGPSが指示してくれます。ここでは登録済みの地点の中から「浜松駅」→「浜松中央署」を設定しました。

Photo_5

浜松駅から浜松中央署までの方向と距離が画像として画面に表示されています。

Photo_6

  上の画面を見ながらでも良いのですが、こちらの画面に切り替えると目的地の方向と距離を分かり易く表示してくれます。この案内の通りに進めば視界が無くても目的地にたどり着くことが可能です。また、救助を要請する場合でもGPSの座標で位置が分かりますので、地名の無い場所でも相手に自分のいる位置を正確に伝えることが可能です。

転ばぬ先の杖とは良くぞ言ったものですが、面倒がらずに現代の杖を使い、安全な行動を心がけて欲しいものです。

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コメント

最新のGPSは簡単、わかりやすそうですね。
そろそろ欲しいなぁって思っているのですが、携帯電話にも同様な機能があり、迷っています。

しかし、前述のご指摘から、携帯電話の限界も感じましたので、GPSを購入した方がいいのかなぁ。

一番なのは、ガーミンから携帯電話付きGPSが売り出されると良いのですが。

投稿: 山奥 | 2010年3月 6日 (土) 06時45分

山奥さん、コメントありがとうございます。GPSについては人によって様々な価値判断があると思います。決して安いものではありませんし、仰るように携帯電話にも類似の機能はあります。しかし、携帯の地図は住宅用のものなので、山ではあまり参考になりません。
山で遭難して生命の危機に直面したり、救助を依頼して多額の費用を負担することを思えば数万円の投資は決して高いものではないと思います。
また、歩いた軌跡を記録する機能を使えば、ワンコの散歩などでの歩行距離をカウントすることも可能ですし、カシミールなどの地図に転送して画像として確認することも可能です。

参考までに↓

Etrex Venture HC の場合、格納されている地図は20万分の1で新たに追加することは出来ませんが、私にとって必要な機能は全て備えているので満足しています。
英語の達人であれば英語版Venture HC の方が安く手に入りますし、何故かこちらは別売りの地図も追加可能です。(ローマ字表記ですが、日本国内20m等高線入り2万5千分の1が外部業者から日本語版の1/3程度の@で販売されています) 

投稿: 雨辰 | 2010年3月 6日 (土) 07時21分

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