浜松まつり開幕
5月3日から5日まで浜松は旧市街地を中心に浜松まつり一色に塗りつぶされます。元は城主に長男が誕生し、大凧にその名を記して祝ったのが始まりとされていますが、どうも確かな記録はないようです。それでも江戸時代から合戦に模して町内対抗で凧揚げを競ってきた事は間違いありません。かつては五日間の祭りでしたが、流石に体力が続かないと言うことで、現在の三日制になりました。
祭りの無事を祈って町内の役員一同そろって神社に出陣の参拝。たすきには祭りの役職が記されていますが、どの町内も肩書きの大安売りで、正、副の会長・組長・監督・顧問・相談役・取締役等のオンパレードです。
早朝にもかかわらず、拝殿にてお祓いの儀。
浜松っ子はこんな頃から祭りが大好きです。
遠州灘に面した中田島海岸の凧揚げ会場には各町の陣屋と呼ばれるテントの前線基地が設けられ、機材の保管や休憩所として使われますが、合戦に使う凧もここに保管されます。
初めての子供を初子と言い、故事にならって凧に名前を入れます。以前は男の子だけでしたが、最近は時代を反映して女の子でも祝う家が多くなりました。凧のあつらえや飲食の振る舞いで結構な費用負担となるため、この時期他の町に疎開する人もいたそうです。
浜松は日系ブラジル人の多い所ですが、どうやらこの凧の初子は日系ブラジル人のようです。
例年GWのトピックスとして全国ネットで紹介されていますが、地元テレビ局のアナウンサーが取材に来ていました。
午前11時、開幕と同時に一斉に凧が上がります。糸を手繰って駆け回るので現場は殺気立ち、以前は小競り合いや喧嘩沙汰が絶えませんでしたが、警察沙汰になると出場停止の厳罰が下されるため、大人の対応が求められています。同様に夜間の練りに参加するのには提灯の所持が義務付けられていますが、片手を塞ぐことで取っ組み合いを防ぐ工夫です。
浜松では冬季は遠州の空っ風と呼ばれる強い季節風が名物ですが、この時期はあまり強い風は期待できません。弱い風でも上手く上げるのが各町自慢の技術ですが、今日はちょっと苦戦です。
それでもいつしか大空にいくつも凧があがりました。初日は初子の凧の顔見せなので、糸切り合戦はありません。
浜松まつりと言えば太鼓とラッパですが、中でもラッパは各町内入り乱れる群衆の中で連携を取り、志気を鼓舞する効果抜群です。
浜松まつりの面白いところは昼は勇壮な凧上げ合戦を繰り広げ、夜は御殿屋台を引き回す2部構成になっているところです。元々は凧上げに使った凧を荷車の屋根代わりにして飾ったものが屋台に発展したものと言われています。伝統技法による豪華な彫刻が施されているのでお値段も中々で、高いもので1台1億円もするそうです。
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