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2010年5月13日 (木)

デジイチ進化中

1眼レフカメラとは撮影レンズを透過した映像をミラーで反射することによってファインダーで視認し、撮影時はミラーが跳ね上がって撮影媒体(フィルムや撮像素子)に映像が投影される仕組みを持ったカメラを指します。かつてTTLThrough the ens)と呼ばれ、シャッターの絞りの効果を実視できたり、パララックス(視差)が無いなどレンズ交換のできる1眼レフはカメラの究極の姿と考えられてきました。
時代が移って、撮影媒体がフィルムからCCDMOS型ダイオードなどの撮像素子に代わってもこのスタイルは変わりませんでした。ところが、デジタルの1眼レフカメラはフィルム時代と違ってバッテリーは当然として、ダストクリーニング機構や手ぶれ補正機能が搭載されて、どうしても大きく重くなりがちでした。その一方でデジタルならではの機能としてミラーをアップすることによって、レンズを通した画像を液晶画面に映したり、動画撮影が可能となりました。それならミラーそのものを止めてしまえば複雑な機構と共に重いペンタプリズムも不要となります。従来、レンズシステムの構築もさることながら、メカとしてのミラー機構やフォーカルプレーンシャッター、ペンタプリズムの精度維持が障壁となって新規参入を阻んできました。しかし、ミラーレス機となることで、電気自動車同様に新規参入のハードルがかなり低くなることになります。ただしミラー機構がないので1眼レフとは言えず、デジタル1眼なる呼称ですが、略称ではどちらもデジイチとなります。

デジイチの市場はこれまでキャノン、ニコンの2社が圧倒的なシェアを占めてきましたが、下位メーカーのパナソニックとオリンパスがミラー機構を廃したマイクロフォーサーズシステムのカメラを発売すると小型・軽量さが受けてデジイチ市場に異変を起こしました。例えば価格・comの5月12日現在の売れ筋ランキング1位はパナソニックのLUMIX DMCGFCパンケーキレンズセット、2位がペンタックス K-Xダブルズームレンズセット、3位がキャノン EOS Kiss x4、4位がオリンパス・ペンLite E-PL1 レンズキット、5位がオリンパス・ペンLite E-PL1 ダブルズームレンズキットとなっており、ベスト5の内ミラーレス機が3つを占める大躍進ぶりです。このような状況を他社がほっておく訳はなく、新規メーカーや下位メーカーが起死回生を狙ってこの市場に参入しています。

例えば家電の勝ち組となった韓国サムソンは有効画素1460画素のAPSCセンサーでフランジバック(レンズマウントから撮像素子までの距離)長25.5mmのNXマウントを搭載したNX10を発売しています。
そして今回ソニーが同じくAPSC有効画素1420万画素のCMOSセンサー搭載で、フランジバック長18mmのEマウントのNEX-3、NEX-5の両機種を6月10日に発売することを発表しました。NEX-5は本体重量222gでレンズ交換式カメラの世界最小最軽量を謳っています。ただし、手ぶれ補正はレンズ側に搭載となっていますので、ストロボを内蔵し、本体に手ぶれ補正を内蔵しているオリンパスのマイクロフォーサーズマウントのEPL1の296gに対してアドバンテージがあるかはちょっと微妙です。ちなみにデジタル1眼レフであるキャノンのAPS- Cセンサー搭載のEOS Kiss X4は1800万画素ながら本体重量530gとなっていますので、NEX‐3、5は半分以下の重量を達成したことになります。

ミラーレス機は構造が簡単になる一方で、本体をコンパクトにするのにはフランジバック長を短くする必要があり、従来と別シリーズのレンズを用意しなければなりません。これはメーカーにとって大きな負担となりますので、販売が好調だった上位2社はこれまで静観の構えでした。もちろん、ミラーレス機そのものには技術的ハードルがある訳ではありませんので、いつでも参入は可能です。もう一つミラーレス機の弱点とされていたEVF(電子式ビューファインダー)の解像度ですが、パナソニックのEVFではフィルム時代を経験したオールドユーザーの評価はもうひとつでした。しかしオリンパスが外付けで発売したEVFは十分光学方式の代用になり、かつ撮影情報の表示が可能になると好評です。

さてミラーレス機の好調を受けてキャノン、ニコンのビッグ2がこの先どんな対応を取ろうとするのか、デジイチから益々眼が放せなくなくなって来たようです。

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