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転覆時ボート内側に4人がいた

カッターボート転覆事故の続報がありました。転覆後青年の家の所長らがモーターボートで救助に当たり、投げ出された生徒たちを引き揚げましたが、全員を収容できないため、一旦別の職員に運転させて岸に向かわせ、残った所長がボートの船底に上がるように指示を出したと言うことです。
その後、転覆時にボート内側に生徒が取り残されたことが分かり、救助に当たっていた所長が潜って3人を救助しましたが、亡くなった女子生徒には気付かなかったと言うものです。荒天時、しかも切迫した状況下ですが、おそらく現場にとどまったであろう教師は生徒の安否確認が、全くできていなかったことになり、その責任は重大です。報道では一旦全員救助とされた後に行方不明者の存在が判明とのことですから、救助側、学校側がそれぞれ勝手な判断をしてしまったものと思われます。

モーターボートの定員上、生徒が二分されてしまったことはありますが、尚更人員の確認が欠かせなかった筈です。また、所長も体力を消耗してしまい、更なる救助は無理だったとのことですが、当然このような事故は起こり得ることで救助にあたるべき船艇がカッターボートの定員に満たないのはどういうことでしょうか。もし、全員が収容できる船で救助に当たっていれば現場を離れることもなく、他の職員と分担して徹底的にボート内側の捜索が行えた筈です。

今回の事故ではどうも双方に積極的に安全に取り組む姿勢が見られません。注意報発令下では双方が協議して訓練の実施を決定することになっていた筈ですが行われませんでした。
学校側は発令の有無も確認せず、施設職員に実施可能の感触を得たとして協議を求めませんでした。施設側は注意報の発令を知りながらその事実を伝えず、学校側に協議を求めませんでした。運営側は波浪時におけるボートの安定性に自信を持っていたかも知れませんが、カッターボートでの体験はそれなりに意義のあることだと理解した上でさえ、船上活動の経験のない中学生に白波の立った湖面で操船させる目的が分かりません。もし、施設側の言い分を鵜呑みにしたのなら教育者の資格はありません。

訓練中止の基準の不備も挙げられます。この四月から民間に運営が委託された矢先の事故ですが、県が運営していた時と基準に差はなかったのかも気になります。もしあったのであれば、それを放置した側の責任も問われなければなりません。
今回、この件について他のブログにも書き込みをしましたら、事が起きてから後知恵で責任追及しても仕方がないとの意見がありました。しかし、この事故を貴重な体験として問題点を全て洗い出し、再発防止に結び付けることが亡くなった生徒、遺族の方々に報いる唯一の方法ではないでしょうか。その意味で一個人の立場ではありますが、今後も非難されるべきについては声を挙げて行きたいと思います。

※6月20日追記
訓練実施の判断基準は明文化されておらず、指導員が学校側に口頭で伝えていた模様です。安全の根本が明文化されず、現場に運用が一任されるなど呆れた話で、極めて杜撰です。必要事項が伝わらない恐れが多分にあり、間違いの誘因となります。本来であればチェックシートのようなもので必要事項を確認し、双方責任者の確認をもって実施が決定されるべきであったと思います。どうも施設側が上位に立って運用を行っていた姿勢がうかがえます。天候悪化時には中止するようなことを言っていたようですが、4隻のボートに2人の指導員しかいない状況で、時化た湖面での操船をどう行おうとしていたのか無責任の極みとしか言えませんし、そのことについて深く追求しなかった学校側も同様です。

安全は全てに優先する。これは事業所での安全管理の基本ですが、今回の場ではいかなる理由からか優先されなかったのが残念です。

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