ミューロケット後継機
我が国の主力ロケットは液体燃料ロケットのH‐2Aおよびそれをクラスター化したH‐2Bですが、その基礎を築いたのは固体燃料ロケットでした。但し、安価で扱いが手軽であった固体ロケットも大型化するにつれて逆に取り扱いが複雑になり、コストも上昇してしまってその特徴を生かすことが出来なくなり、M‐5の8号機(打ち上げは7号機の方が後となっています)を最後に打ち切りとなってしまいました。
今後の科学観測衛星の打ち上げ用としては次期固体ロケット(μの次はνニューとなるのですがnewとまぎらわしいからか敬遠されてイプシロンロケットと呼ばれることになりました)の開発が決定し、2012年に惑星観測用の惑星宇宙望遠鏡を搭載したSPRINT-Aを打ち上げることになっています。
イプシロンロケットは低軌道に1.3トン、太陽同期軌道に420Kgを投入でき、1機当たりの打ち上げコストは約30億円とおよそ80億円と言われたM‐5ロケットの1/3強になる見込みですが、各段の能力向上による打ち上げ能力拡大の余地は大きく残されており、さらにコストパフォーマンスが改善される見込みです。
GXロケットは昨年の事業仕分けによって廃止されてしまいましたが、はやぶさフィーバーによって、政治による宇宙開発への過度な干渉に一定の見直しがなされる模様です。低予算を強いられ、政治のしわ寄せを受け続けながら大きな成果を挙げ続けてきた我が国の宇宙開発ですが、立派に次代のロケットを開花できるように心から願っています。
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