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2010年8月28日 (土)

偵察衛星またダウンか

偵察衛星と言えば核を保有する米・中・ロの独壇場ですが、宇宙の平和利用の幻影に束縛されてきた我が国でも北朝鮮の弾道ミサイル事件を契機に光学式、レーダー式の保有に踏み切っています。いずれも地球を観測する科学衛星のセンサー技術を転用していますので、豊富な資金で軍事専用に開発した先進諸国に比べて解像力など技術的にはまだまだ劣っているようです。

政府は秘密のベールに包んでその実態を明らかにはしていませんが、光学式2基、レーダー式2基の4基体制で情報収集に当たろうとしています。現在は光学2号機、光学3号実証機、光学3号機とレーダー2号機の変則シフトで運用されていましたが、どうもレーダー2号機がダウンした模様です。

光学式と違いレーダー式はレーダー送信機用に大電力を使用する為、太陽電池や電力制御系に大きな負担がかかります。レーダー1号機も設計寿命前にトラブルで運用停止になっており、今回も同様のトラブルと思われますが、前回は打ち上げ4年でしたが、今回は打ち上げ後3年なので技術的問題がクリアされているとは言い難い状況です。光学式は解像力を向上させるため更新が頻繁ですが、レーダー式はあまり機能向上が望めないのか、更新のペースはゆっくりで、打ち上げ機会が少ないせいか根本的な対策が実っていない形です。

気象衛星でもそうでしたが、我が国では予算の問題から予備機によるバックアップ体制があまり考慮されていません。勿論ちょうどの衛星で、安定した運用ができればそれに越したことはないのですが、偵察衛星のビギナーである我が国にそこまでの体制を期待する方が無理と言うものです。後継機の3号機は2011年、4号機は2012年の打ち上げですから本来の4基体制に戻るまで、向こう2年以上はレーダー衛星なしの状態が続く訳で、偵察衛星保有国としてはちょっと情けない話です。

日本周辺を取り巻く軍事情勢は極めて流動的です。衛星そのものの価格は150億円ほどですから、他の偵察衛星の打ち上げに便乗して予備機を保有することが我が国の安全保障上得策ではないかと愚考する次第です。

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