不可解な遭難
北遠にある麻布山(1685m)は、かつては手強い山の部類でしたが、林道の開発によって手軽に登れる人気の山となりました。その先にある黒法師山(1782m)も少し頑張らないと帰り時間が気になってくる山でしたが、熊笹の減少や踏み跡が明瞭になったことで随分と歩きやすくなりました。
その前黒法師山に、日帰りで登ると出かけた中年登山者が下山して来ない事件が起きました。先月28日に一人で出かけた59歳の登山者が、帰って来ないと翌日になって家族から通報があり、捜索が行われました。直ぐに登山口で遭難者の車が見つかったのですが、肝心の本人の行方は掴めませんでした。以前ならいざ知らず、最近のルートの状況からは考えられない遭難騒ぎですが、連日捜索を続けた結果月が変わった1日になってやっと本人が見つかりました。
なんと発見場所はピークをいくつも越えた丸っきり反対側の稜線上でした。おそらく疲労か視界不良でうっかり頂上からの下山方向を間違えたのではないかと思いますが、途中のバラ谷の頭には標柱や道標がありますから反対方向に歩き続けた理由が分かりません。
しかもバラ谷の頭から黒法師岳までは大きく下っているので、いくらなんでも方向違いに気が付きそうなものです。
結局遭難者は4日目に無事救出された訳ですが、連日多くの人に迷惑をかけることとなりました。もしGPSを持っていれば、そもそも迷うこともなかったのですが、おかしいと思った時点で引き返せば翌日には間違いなく下山出来たはずです。あえて言わせてもらえば、遭難者は安易に入山してしまいましたが、本来この山域に登る資格がなかったとしか思えません。
最近は事故に占める中高年登山者の割合が高いこともあり、モラルが問題にされることが多くなりましたが、自分の能力を正しく把握して自己啓発に努めることが望まれます。安全登山のため、もっと謙虚になる必要があると言えるのではないでしょうか。
御料局と刻まれた三角点のある前黒法師山の頂上。GPS等なかった昔は、積雪期に手前のピークを山頂と誤認して記念のプレートを付けてしまった登山者も見られました。
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