所得低迷とマイカー
昨日2009年の民間平均給与額が発表されましたが、前年より23万7千円減の406万円でした。2008年は前年比7万6千円減で429万6千円でしたから2007年は437万7千円だった訳ですが、この2年間で実に31万7千円も目減りしたことになります。月額にすれば2万6千円ほどの減になりますから、ビールから発泡酒にシフトするのも無理からぬところです。
その一方で大企業各社は順調に利益を上げていますが、国民の所得が減少の一途では消費拡大など望めないのは当然です。企業は高収益の手法として労働集約的な作業をアウトソーシングしたり、正規雇用を抑制して非正規雇用のウェイトを高めて来ましたが、社会構造に大きな歪を生むことになって、自分の首を絞めることになったのは皮肉としか言いようがありません。
中でも乗用車の落ち込みは深刻です。環境に対する意識の変化や少子化による需要層の減少もあるのでしょうが、1990年と2007年を比較すると新成人が26.5%の減少に対し、普通乗用車の販売台数は30%減と人口減を上回っています。今後少子化傾向に歯止めがかからなければ更に市場は縮小することになります。
そんな中で今日、トヨタが軽自動車の販売に乗り出すことを明らかにしました。新車販売の落ち込みを、価格・維持費でアドバンテージのある軽自動車で少しでも埋めようと言う作戦ですが、さながら自動車版の発泡酒と言えるでしょうか。同じく軽自動車を作っていない日産は既にOEMによって参入を果たしています。これで我が国の自動車メーカーが全社軽自動車を販売することになるのですが、なんだかなあとしか言いようがありません。
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