ノーベル平和賞と中国
ノーベル平和賞が、予想通り中国の民主化活動家で投獄中の劉暁波氏に送られると発表されました。これに対して中国政府が猛烈に反発していますが、お門違いと言うものです。
ノーベル賞は、ダイナマイトを発明して巨万の富を得たノルウェースウェーデンのノーベルの遺産を基金としてがその年の各賞の受賞者を決めています。他の部門がスウェーデンの各機関で決められるの対し、平和賞だけはノルウェーのノーベル委員会によって選考されています。賞の運営は選考委員に完全に委ねられ、アカデミー賞などと違って候補になっていることさえ外部に伝えられることはありません。(選考過程は受賞後50年後に公開されることになっているそうです。)
共産党が独裁政治を欲しいままにしている中国では政府の気に入らない人間は罪状をでっちあげて投獄したり、迫害して国外に追放したりしてやりたい放題ですが、外国の非政府組織に圧力をかけるなど蛮行にも程があります。
中国外務省は、劉暁波氏への平和賞授与は「賞の趣旨に反し、平和賞を冒とくする」などと言っていますが、いつからノーベル賞の関係者になったのでしょうか。ノーベル賞は選考委員が妥当だと思う人物に授与されるもので、他の賞と同様に不遜にも主催者に文句を言うなど、世界の笑い者になるだけです。
中国政府は今まで何故中国人の受賞者が出なかったのか、そして世界には世界の尺度があることを謙虚に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
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