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2010年11月28日 (日)

ペットボトルリサイクルについて

ペットボトルについて考えてみたいと思います。今日飲料用、特にソフトドリンクの分野の容器では圧倒的にペットボトルが使われています。内容物や残量が眼で見えること、途中でフタをして保存がし易いことなどが消費者に受け入れられた結果でしょう。消費量が増えれば当然廃棄物も増えてきます。私の住んでいる自治体では資源ゴミとして週に1回回収をしていますが、他の廃棄物より圧倒的にペットボトルが多くなっています。リサイクルの向上でこれはこれで望ましいのだと思っていました。ところが・・・・・。

以前回収業者のリサイクル工場を見学したことがありましたが、回収したペットボトルを作業台に集めて、汚れのあるものや異物を除き、口元のフタの残り部分のリング状の所を取外して圧縮したものを袋詰めし、破砕する業者に送っているとのことでした。各町内からは自治体から委託を受けたこのような業者が回収作業を行い、かさを圧縮して次のリサイクル業者に送られ再生使用されていると思っていたのですが、現実は少し違うようです。

リサイクルで回収されたペットボトルはほとんどが破砕され、①元の石油原料に戻す、②ペットボトル用の再生素材として使用、③フリースなどの繊維素材に使用、④資源ゴミとして輸出されているそうですが、再商品化される率はペットボトル用は1%、全体でも20%を下回ると言われています。これは一体どういうことなのでしょうか。実は再資源化には多大なコストがかかると言うのがその大きな理由です。元名城大学教授、槌田敦氏によれば回収・洗浄するのに500円/Kg、破砕するのに100円/Kgかかり、これは500mlのペットボトルに換算すると1本当たり15円となります。一方原油から作った場合の原料代は0.5円程です。つまりリサイクル原料を使うより原油を使う方がはるかに安いのです。

世間ではエコロジー=エコノミーと考えられていますが、どうも実態は違うようで、逆にリサイクルすることでより大きな新たなエネルギーを消費することさえ懸念されます。先の槌田氏によれば、回収したペットボトルはゴミとしてそのまま燃やす方が焼却用の燃料代の節約につながり、却って環境には好ましいのではないかと言っています。どうも飲料メーカーの利益優先主義によって国民全体が後始末を強いられ、余分なコストを費やしているような気がします。

与党周辺からは環境税なるものが度々提言されていますが、いの一番にペットボトルに適用するべきではないでしょうか。それによって従来のガラスボトルがもっと利用されるように誘導されれば、貴重な石油資源の浪費も抑制されるのではないかと思われます。なお、清涼飲料製造メーカーや都道府県会員で構成されるPETボトルリサイクル推進協議会は、何故かペットボトルのリサイクル率を公表していませんが、消費者に廃棄の義務を押しつけながら、はなはだ無責任な姿勢だと思います。

Pb234242

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