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2010年12月22日 (水)

動的防衛力について

先日公表された新防衛大綱では、戦車の保有台数を減らして予算を削減しながら、有時には平時の配備先から移動させることで、対処可能とする動的防衛力なる概念が示されました。現在我が国は74式と90式の2種類の戦車を配備していますが、74式と比べて新しく防御・攻撃力ともに勝る90式は北海道にしか配備されておらず、90式を移動することを前提としています。

74式など従来戦車の長距離輸送は鉄道を利用していましたが、90式は重量が50トンと重く鉄道輸送は想定されていません。もし、九州や南西諸島に輸送する場合には輸送船を使うことになりますが、これもおおすみ型で10両程度ですから3隻総動員しても3個中隊を運ぶのがやっとです。

もし本気で動的防衛力構想を実現するのなら運搬手段として輸送艦を大幅増強しなければなりませんが、中期防でも輸送艦の新造は計画されていないのです。民間の大型フェリーを活用する方法も無いわけではありませんが、有事に徴用できる具体的な方策は何も明らかになっておらず、敵が侵攻してきてからフェリー会社と借り上げ交渉することになってしまう可能性もあります。来年には北海道第7師団の戦車隊を九州に送って演習するようですから、その段階で実際に必要な輸送力がはっきりするものと思われます。

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