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2010年12月27日 (月)

あかつきの失敗原因を断定

エンジンのトラブルによって金星への軌道投入に失敗し、6年後に再チャレンジを期すことになったあかつきですが、本日JAXAが燃料加圧用の弁が開かなかったことが原因であったと断定し、文科省に報告しました。特定の根拠についてはエンジントラブルを起こす5つの要因について検討した結果、いずれの場合にもこの弁が正常に開かない場合にのみ起こり得ると判断されたものです。この弁は宇宙開発用の標準品ということで、今回新たに開発されたものではなく、いわば枯れた技術を使ったものと考えられますから、弁が故障した原因については徹底した解明が望まれます。

ところでこのニュースを見て、ある小説を思い出しました。池井戸潤氏の下町ロケットという物語です。かつて宇宙開発に携わっていた主人公は、打ち上げ失敗の責任を取って辞職し、実家の町工場を継いで小型エンジンの製造をしていましたが、彼が取得した特許を巡ってロケット開発を担う巨大企業と亘り合うことになり、一悶着も二悶着も波乱が続くというストーリーですが、その特許で作られたのが今回問題になった制御バルブ(弁)なのです。

打ち上げの信頼性を上げるためにはどうしても主人公が開発したバルブが必要になり、日本の宇宙産業のトップである超巨大メーカーが従業員200名程の下町企業と対峙することになるのですが、紆余曲折を経て物語はハッピーエンドで終わります。現実の世界ではまだまだ故障の解明と再発防止に取り組まなければなりませんが、下町ロケットよろしくハッピーエンドと行って欲しいものです。

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