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2010年12月31日 (金)

中国原潜が領海侵犯?

本日産経新聞が伝える所によれば、昨年の2月に中国の漢級とみられる原子力潜水艦が、我が国の宮古島と与那国島の間を抜けてグアム周辺海域に達していたことが複数の政府関係者への取材で明らかになったとのことです。この海域は我が国の領海であり、与那国島と八重山列島の間に領海への接続海域があるものの、無害航行するためには浮上して国旗を掲揚する必要がありますから、事実上の領海侵犯が行われた可能性が大変高いものと思われます。航行ルートの特定については、日米の潜水艦探知システムや哨戒機の飛行コースなどから消去法によって絞り込みは出来ているものと思われます。

では何故この時期に公表されたかについては、様々な推測が可能です。まず第一に通過水域に固定ソナーが設置され、今後は捕捉可能になったことを内外に示す狙いが考えられます。今年の4月に中国海軍の艦隊が潜水艦を浮上させて沖縄本島と宮古島の間を通過しましたが、新たに設置されたSOSUS(海中固体ソナーシステム)を避け、また潜水艦の音紋の採取をさせるため浮上して曳航したたのではないかと考えると日中のつばぜり合いの一端を公表したとも受け止められます。

第二に先日公表された新防衛大綱とのからみです。新防衛大綱では予算縮減で、陸上自衛隊の定員を減らしたり、戦車の保有定数をそれまでの600両から400両へと減数しています。今回の我が国防衛網の突破の原因が、石油高騰による哨戒機の飛行制限によるものであったことを暴露して、財務省にアピールしたものである可能性もあります。

第三に同じく新防衛大綱で潜水艦の保有数を従来の16隻体制から22隻へと増強する方針を明らかにしていますが、何故そうすることになったのかと言うことを明らかにして国民の理解を得るとともに、やはり予算獲得に向けての財務省へのアピールではないかと考えるのが妥当ではないでしょうか。

一部には簡単に防衛網が破られたことを問題にする論調がありますが、既に対応策が取られていることや(そうでなければこの時期に公表する必然性がありません)、逆にわざと見逃して予算獲得に利用した可能性さえあるのではないでしょうか。いずれにせよ来年度から毎年1隻ずつ潜水艦の保有数が増勢し、性能が向上した新型哨戒機P-2の調達が始まりますのでいたずらに騒ぎだてする必要はありません。報道を鵜呑みにするのではなく、その裏側を考えれば、どんな意図のもとになされたものかが透けて見えてくるものです。

※今年の更新はこれが最後です。この一年、中年男のたわごとにお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。皆様良いお年をお迎え下さい。

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