相次ぐ対海賊強硬策
ソマリア沖の海賊被害は相変わらずのようですが、先週末に大きな動きがありました。現地時間の21日未明、対潜ヘリコプターの支援を受けた韓国海軍の特殊部隊が海賊に乗っ取られていた化学物質運搬船「サムホジュエリー」に突入し、海賊8人を射殺し、5人を拘束しましたが、船長が腹部を撃たれた以外は船員、隊員共に無事でした。
一方同じく21日午前1時頃、攻撃へりの支援を受けたマレーシア海軍の特殊部隊PASKALの隊員が海賊の襲撃を受けたマレーシア船籍のケミカルタンカー「MT Bunga Laurel」に突入して海賊18人全員を拘束し、乗組員全員を無事解放しました。
この二つの作戦には不思議な共通点があります。まず同一日の接近した時刻に行われたこと。突入の安全を図るためへりによる威嚇射撃を行っていることです。これは偶然であるかも知れませんし、そうでないかも知れません。
海賊に対する強硬策はインド海軍やロシア海軍でも行っていますが、容疑者の確保よりも撃滅に重点を置いています。結果としてその後両国船籍に目立った海賊被害は発生していません。従来身代金を支払うことで人質の無事な解放を優先することが優先されてきました。結果としてそのことが、海賊をビジネスとして成り立たせてしまったきらいがありますが、今回両国が強硬策に出たことで、今後はターゲットが他の国にシフトされる可能性があります。
また、現地に護衛艦を派遣している自衛隊は発砲に対して厳しい規制が課せられています。海賊が安全策で日本船を集中的にターゲットにして来た時、果たして日本政府は両国のような対応が出来るでしょうか。ダッカ事件の二の舞だけは願い下げです。
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