デジカメ下剋上
現在デジタルカメラは大きく分けてレンズを交換できる1眼レフタイプ、同じくミラーを内蔵しないミラーレス機、レンズ交換出来ないコンパクトカメラ(以下コンデジと表記)があります。1眼レフやミラーレス機を撮像素子の大きさで分けると更にフォーサーズ、APS、フルサイズ、中判サイズなどに分かれます。撮像素子が大きい方が、情報量が多く取れるのでこれまでは大きいサイズが有利とされてきました。
一方で大きな撮像素子には大きなレンズでないと十分な光の情報を伝達できないのでカメラにレンズを加えたシステムが大きくなってしまうと言う問題があります。また、アナログ時代にはフィルムの特性であまり目立たなかったレンズの粗が、デジタルでは顕著になってしまうと言う新たな問題も浮上してしまいました。
結局、画質を取るかコンパクトさを取るかと言うことになるのですが、どうしても高画質を求められるプロと違って、アマチュアの場合は手軽にそこそこと言う大変曖昧な要求なので、迷いが生じます。私自身フィルム1眼レフ→フィルムコンパクトカメラ→コンデジ→デジタル1眼と言う道を辿っているのですが、高画質と携帯性は大きな問題です。現在は画質重視で、小型軽量のフォーサーズの1眼になっているのですが、それでも登山の際には重荷に感じてしまうことがあります。
そんな迷えるデジタルカメラ難民を更に迷わせる製品が発表されました。オリンパスの新型コンデジXZ-1(2月中旬発売予定)です。
http://olympus-imaging.jp/product/compact/xz1/index.html
XZ-1と私がデジイチ購入以前に使っていたコンデジSP-510UZの大まかな仕様を比べるとこんな具合で、CCDの面積は1.3倍以上にUPしています。小型撮像素子の場合、どうしてもパンフォーカスになり易かったのですが、開放F値が1.8と小さいのでわずかながらボケの表現もし易くなるものと思われます。最近の流行として広角側が28mm相当なのも建物などを撮る時には便利です。
・XZ-1
焦点距離:28~112mm(35ミリ換算)F1.8~2.5
撮像素子:1/1.63型CCD 1000万画素 CCDシフト式手振れ補正
・SP-510UZ
焦点距離:38~380mm(35ミリ換算)F2.8~3.7
撮像素子:1/2.5型CCD 700万画素 手振れ補正なし
これまでコンデジはコンパクトを売りにしたものと、大きさを犠牲にしながら一定の画質を追求したものとに大別されましたが、所詮画質では1眼タイプに敵わないと言われてきました。これはコンデジの撮像素子が1眼タイプに比べてはるかに小さいことと、小型化が優先されてレンズ性能がなおざりにされてしまったためです。ところがXZ-1は1眼タイプのレンズ設計を取り入れたデジカメとして従来の考えを一変してしまいました。1眼タイプのカメラの画質がいいのは当然と思われていましたが、最近ではそれもレンズ次第という見方が一般的です。つまり小型化を優先して光学的に見劣りのするレンズを付けた1眼タイプと高性能なレンズのデジカメでは得られる写真の評価が逆転する可能性があると言うことです。
SP-510UZで撮った写真をA4サイズでプリントしても画素的には何ら不満はありませんでしたので、それ以上の画質で撮れるであろうXZ-1は手軽に撮る時のカメラとして大いに注目しています。
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