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2011年4月30日 (土)

震災は鉄腕アトム実現を加速するか?

今回の震災は未曾有の規模で、被害の大きさもやむを得ない面があったと思いますが、本来ある程度整備が進んでいると思われた防災面でも立ち遅れがあったことが浮き彫りになりました。地震や津波を早く正確に感知し、送信しなければならない地震計や潮位計が津波の第一波で機能を失い、その後長期間に亘って稼働できなくなってしまったのは防災の基礎の基礎が出来ていなかったことの何よりの証左で、早急に改善が求められるべきです。

福島第一原発の事故でも、現場の詳細な把握が中々出来ませんでした。報道されている内容では、米国製の無人ヘリコプターや爆弾処理用に開発されたロボットによって、危険区域の映像が初めて入手できたことになっています。しかし私にはどうにも腑に落ちません。

我が国はロボットの分野では世界の最先端にあり、自力走行で階段を上ったりして生存者を捜すなど、以前からこのような災害時に投入できるロボットが開発されていた筈です。これまでも東海村の臨界事故など、放射線レベルの高い環境下での作業を強いられる事例はありましたので、即投入できる機器は量産レベルで開発されているものと思っていました。またUAV(無人飛行体)でも国産の無人ヘリコプターは民間用に広く販売されており、カメラを積むだけで翌日にでも上空を飛ばすことが出来たはずです。また、陸上自衛隊は既に偵察用の無人ヘリコプターを部隊配備していますし、電動で自立飛行する偵察用の小型飛行体も開発しています。つまり、投入できる機材はあった筈なのに何故か表立っては使われなかったのです。自衛隊の無人ヘリについては偵察能力を秘匿する必要があり、使用しても公表されないだけとの話もありますが、真偽の程は不明です。

そんな中、三菱重工が厚さ10cmの鋼板で覆われ、外気を遮断できる放射線防御機能を持った重量フォークリフトを開発し、瓦礫撤去に威力を発揮するものと期待されています。今後、復旧を進める上で、放射線対策が益々重要になってきます。現場作業員の残された許容放射線量が残り少なくなってきており、この対策が必要になるからです。新たな要員が無尽蔵にいれば良いのですが一定のスキルが必要であり、そう簡単にはいきません。そこで考えられるのがアンドロイド型のロボットです。アニメの中では2008年に鉄腕アトムが誕生していますが、現実にはホンダのASIMOは2本足歩行はできるものの、始球式でボールを投げる能力さえ今は持っていません。しかし、別のロボットでは人間の指の動きを再現できるものもありますので、企業や組織の壁を越えてこれらを組み合わせれば結構意欲的な物ができるのではないかと思われます。現在の機器的な状況を考えれば限定的な機能であっても生身の人間に代わって出来る分野は多々あるのではないかと思いますので、失敗を恐れず、今持てる技術を積極的に投入する意気込みがもっとあってもいいのではと考える次第です。

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