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2011年6月18日 (土)

北方領土向け強襲揚陸艦購入決定

ソ連末期の経済崩壊で、海軍力の低下が著しかったロシアが豊富な石油資源に物を言わせて復活の狼煙を上げました。ロシアがフランスとミストラル級強襲揚陸艦の購入交渉を行っていることは既に広く知られていましたが、とうとう購入契約の正式調印に漕ぎつけたようです。以下少し長くなりますが毎日新聞からの引用です。

>契約はロシア国営武器輸出会社ロスオボロンエクスポルトと仏造船大手DCNSがロシア・サンクトペテルブルクで調印。メドベージェフ露大統領が立ち会った。2隻は仏西部サンナゼールの造船所で建造され、ロシアは12億ユーロ(約1374億円)で購入する。両国政府は今年1月に基本合意したあと金銭面などで詰めの交渉を続けていた。建造にはロシア側も一部参加。最新の軍事情報処理や航海システムなどの搭載技術もロシアに引き渡されるという。両国はさらに2隻をロシア国内で建造することでも合意している。

 ミストラル級強襲揚陸艦は最大450人の上陸部隊を輸送できるほか、ヘリコプター16機や揚陸艇6隻、戦車13台などを搭載できる。仏海軍は現在、同艦2隻を保有し、NATO主導の多国籍軍による対リビア作戦に派遣している。

 ロシアは08年8月のグルジア紛争で強襲揚陸艦の必要性を認識し、購入を検討。フランスは来年に大統領選を控えるサルコジ大統領が造船不況対策として受注に熱心だったとされ、思惑が一致した。揚陸艦の対露提供については、NATO加盟国のバルト3国などが懸念を示していた。

 ロシア国防省高官は17日、インタファクス通信に対し、強襲揚陸艦2隻が極東の安全保障のためウラジオストクを拠点とする太平洋艦隊に配備され、南クリルの防衛も任務に含まれることを改めて確認した。ロシアが北方領土駐留部隊の近代化を進める中、日本は揚陸艦配備に神経をとがらせている。 

~18日付け毎日新聞Web版より~

グルジアとの紛争時、圧倒的な差のある海軍力でグルジアに攻め入ったロシアが強襲揚陸艦を手に入れれば、強力な陸上兵力を海から投入できることになりますので、周辺国の軍事バランスに大きな影響を与えることは間違いありません。1番艦はおそらく北方領土向けとして極東に配備されるものと考えられます。背に腹は代えられないとしても、周辺国への配慮を欠くフランスの振る舞いには困ったものです。

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コメント

フランスという国の行動規範はまさに「したたか」という言葉を具現化していますね。
武器輸出しかり、原発しかり。
事の是非ではなく、我々の国もこういったフランスのような国の存在する世界で生きていかなくてはならない自覚を持ちたいものです。

投稿: みかん箱 | 2011年6月19日 (日) 23時50分

みかん箱さん、コメントありがとうございます。フランスは中国へのヘリ技術の移転でも大いに貢献しています。まあ、現在の状況では第三国を迂回すればほとんどのものが入手可能でしょうから、これらの流れを止めることはできないのかも知れません。

我が国は仮想敵国はないことになっていますが、相手の能力に対処する防衛力の維持向上が必要です。過剰に反応する必要は無いと思いますが、演習などを通じてもっと脅威の存在をアピールしてもよいのではと思います。

投稿: 雨辰 | 2011年6月20日 (月) 06時25分

対米従属の方は心中穏やかではないと思いますが、小生にとっては嬉しいニュースであります。
フランスは良い国
ドイツもノルド・ストリーム計画でロシアにベタベタw
気持ち良いですね
復権万歳といったところでしょうか

投稿: 雲隠 | 2011年7月13日 (水) 23時33分

雲隠さん、コメントありがとうございます。
私はどちらかと言えば嫌米の立場ですが、不法占拠されている北方領土と竹島の返還に関してだけは米国は有力なパートナーだと思っています。

フランスに関しては農産物以外に得られるものはありませんから、わざわざ侵攻するような酔狂な国はありませんからどれだけ武器輸出をしても自分に災いが降りかかることはないのでしょうが、このような事が続くのであればワインや装飾品の輸入規制などの対抗手段も必要かも知れませんね。まあ、原発事故など原子力関係では随分お世話になっているのですが。

ドイツは反原発を唱えながら、そのフランスから原発で発電した電気を買ったり、ロシアから天然ガスを買ったりと自国の命運をすっかり他国に委ねてしまっていますがベラルーシの一件など気にしないのでしょうかねぇ?

投稿: 雨辰 | 2011年7月14日 (木) 17時04分

フランスは核兵器と拒否権という2つの切り札を持っていますから、ある程度国際社会で好き勝手にやれるだけの力を持っています。ある意味フランスだからこそ出来る商売方法と言えるんじゃないでしょうか。

投稿: クミン | 2011年7月20日 (水) 02時25分

クミンさん、コメントありがとうございます。国際政治、外交はきれいごとだけではないですね。常に相手の出方を注視して、時には圧力をかけることも必要だと思いますが、外務省は事なかれ主義、政権があの体たらくではどうしようもありません。後は相手の能力にどう備えるかしかありません。

投稿: 雨辰 | 2011年7月20日 (水) 05時40分

日本の国民と政治家双方に言える事だと思うのですが、日本人は軍事や外交に関する知識や理解が乏しい。政治家は勿論のこと国民1人1人の意識も変えていかないと日本の悪い体質はなおらないでしょうね。

投稿: クミン | 2011年7月20日 (水) 06時57分

クミンさん、コメントありがとうございます。敗戦後、我が国は米国の占領政策によって軍事力は悪と言う風に徹底的に洗脳されてしまいましたが、それを強制したGHQがまさに日本統治のための軍事機構だったことを思えばお人好しにも程があります。

憲法は国際紛争解決の手段としての武力行使を禁止していますが、相手がそれを為そうとしている時、対抗手段を持てないのでは国としての体を成しません。民族自決、生存権の行使が優先されるべきで、軍事力を悪だと考えるのはあまりに幼稚だと思います。

投稿: 雨辰 | 2011年7月20日 (水) 21時54分

日本人の中には「攻めるぐらいなら攻められて殺されたほうが良い」と仰り周囲に非武装を勧める方がいらっしゃいますが、それは第二次世界大戦時の「国家の為に死ね」と同レベルだと思います。国家という単語が平和に変わっただけでやっている事は昔と大差無いという事実に早く気ずいて欲しいものです。

投稿: クミン | 2011年7月22日 (金) 04時56分

クミンさん、コメントありがとうございます。戦後、我が国は幸いにして爆撃や砲撃に直接さらされることはありませんでした。これも自衛のための軍事力が相手の侵攻を防いできた結果だと考えています。時の政府も相手国の攻撃に対して座して死を待つ必要はないとの見解を答弁しています。

しかし、世界に目を転じれば国内の民主化を推進しようとしたチェコはただそのことのために一夜にして同盟国であった筈のソ連の戦車群に占領され、あろうことか元首であるドプチェク第一書記は銃を突きつけられて、モスクワに連行されると言う屈辱を強いられました。

国際紛争は平和的に話せば平和裏に解決するなんてことを、今も得意げに力説する人たちがいますがプラハの春の結末を見せつけられた者としてはまともに受け取る気にはなれません。

投稿: 雨辰 | 2011年7月22日 (金) 09時59分

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