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2011年7月 8日 (金)

中国新幹線

先月6月30日、中国北京・上海を結ぶ高速鉄道が開業しました。当初時速350Kmの最高速度での営業を目指していましたが、開業前に手抜き工事問題など、様々な問題が明らかになったことから当面は300Kmに速度を抑えての運行となっています。この高速鉄道は共産党樹立90周年に会わせ、国の威信をかけて建設されたもので「独自技術」で開発されたと内外に発表されました。しかし実際には日本のE2系新幹線(中国はこれ以外にもカナダ・ボンバルディア、ドイツ・シーメンスの車両技術を導入)の技術を流用しており、とても独自などと呼べる代物ではありません。中国の一部には営業速度が日本の新幹線の営業速度を上回ったことから、自らの技術を高く見る傾向もありますが、主要な部品は未だ輸入に頼っていることや、駅間が短い上に山が多く、カーブやトンネルが連続する日本特有の地理的要件を無視した幼稚な比較論です。

広大な国土を抱える中国では経済発展に伴い、高速・大量輸送の手段として国内高速鉄道網の建設の機運が高まっていました。このため中国国鉄は「中華之星」と呼ばれるDJJ2型車両の開発に取り掛かり、2002年には試験走行で321.5Kmを達成したとしていました。2003年には試験運行を始めましたが電気系やブレーキ系にトラブルが多発しました。2006年には何とか営業運転を開始しましたが最高速度は160Kmに留まりました。その後も技術的課題は克服できず、2006年8月に運用停止となっています。このため、外国技術導入に大きく方向転換を図ったものですが、営業最高速度160Kmの技術しかない国が一足飛びに350Kmを達成できる訳がなく、外国技術を大幅に取り入れた事は明白です。

中国は時速350Kmの車両製造技術を「独自技術」によるものとして海外で特許申請を行っていますが、重大な知的所有権の侵害で国際信義にもとる行為です。このような事態は中国との事業の中で過去から散々味わされて来ましたので、JR東海はかねてから技術盗用の危険性を指摘し、計画への参入を断っていましたが、人の良い日本側がまたも煮え湯を飲まされることとなったようです。

JR東日本や車両メーカーの川崎重工は今後法的手段も考えるとしていますが、それに要する費用や時間を考えると大きな負担になることは間違いありません。そもそもこんなことにならないように、契約段階で派生する技術の所有権について明確な取り決めをする必要があった筈なのですが受注を焦るあまり、甘さがあったとしか思えません。何にしてゴネ得、やったもん勝ちを許してはなりませんから両社にはこれから頑張ってもらいたいものです。

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