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2012年3月 3日 (土)

気をつけよう、甘い言葉と暗い道

大統領に返り咲きを目指しているロシアのプーチン首相が、北方領土に言及しました。歯舞、色丹両島を返還する用意があると言うものですが、要注意です。元々北方領土と呼ばれる国後、択捉を加えた4島は歴史的経緯や時の露西亜政府との外交交渉によって日本領となっていたものです。それが第二次大戦で我が国が無条件降伏し、武装解除にあった間隙を突いて当時のソ連軍が武力進攻し占領して今日に至っています。

我が国の無定見な外交姿勢によって、現在は返還の目途が全く立っていませんから2島だけでも帰ってくれば、大きな前進と見る考えもありますが、これは重大な誤りです。そもそも現状がロシアの不法占領状態ですから、2島返還で合意することはロシアの占領を正当化することを意味します。我が国はサンフランシスコ平和条約で樺太以北の千島列島を放棄しましたが、北方4島の帰属は放棄していません。民主党政府は早くも従来の「ロシアの不法占拠」の表現を「法的根拠のない形で占拠」に改めていますが、言葉遊びは慎むべきです。我が国の返還の方針は変わらないとしていますが、外交において言葉は重要で相手に確定的なシグナルを送る結果となり得ます。

プーチン氏は国内の批判勢力を抑える目的で、最低限の出血で最大限の成果を得ようとしていることは明白です。もしかしたら水面下で既に交渉が始まっているのかも知れませんが、前言を翻すなどなんとも思っていない海千山千の相手です。甘い言葉には用心です。

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